陳國坤

陳國坤（チャン・クォックワン、ダニー・チャン、Danny Chan Kwok-kwan、1975年8月1日 - ）は、香港出身の俳優であり、そのキャリアはブルース・リーへの深い憧憬と、多岐にわたる才能によって彩られています。

ブルース・リーへの憧憬と原点

1975年、香港の貧しい漁村で生まれたチャン・クォックワンは、幼少期に観た映画『ドラゴン怒りの鉄拳』でブルース・リーに魅せられ、以来、彼を生涯のアイドルとして崇拝し続けています。父親から「ジークンドー入門」を購入してもらい、映画を繰り返し観ることで、ブルース・リーの小さな動きから話し方までを徹底的に模倣。その熱意は周囲にも知れ渡り、幼い頃から「小龍（ブルース・リーの中国名）」と呼ばれるほどでした。

多彩なキャリアと映画界への足跡

販売員、ペンキ工、土木作業員、ダンサー、ダンスの振り付け師など、様々な職業を経験した後、映画界に足を踏み入れます。キャリア初期には、自身のロックバンド”Poet”でボーカルを務めながら、映画の主題歌やダンスの振り付けを担当。エキストラ出演を経て、1996年、香港の李小龍會（ブルース・リー・クラブ）での写真撮影がきっかけで、チャウ・シンチー監督に見出され、俳優契約を結びました。

チャウ・シンチー作品での活躍と飛躍

2001年、チャウ・シンチー監督主演の『少林サッカー』で、ゴールキーパー「鬼影擒拿手（魔の手）」役を演じ、その独特な存在感を示しました。続く『カンフーハッスル』では、斧頭会の組長サム役を演じ、第24回香港電影金像奨で助演男優賞にノミネートされるなど、俳優としての評価を高めます。同時に、両作品でダンスの振り付けも担当し、その才能を多方面に開花させました。

ブルース・リー役としての成功と新たな挑戦

その後も数多くの映画やドラマに出演し、2008年には中国中央電視台（CCTV）の連続ドラマ『ブルース・リー伝説』で主演を務め、最高視聴率12.98%を記録する大ヒットとなりました。この成功を受け、同年、チャウ・シンチーの事務所を離れ、自身の会社「詩人會所」を設立。その後も、カンフーヒーローである馬永貞をテレビドラマで演じるなど、アクション俳優としての地位を確立しました。

ブルース・リーの継承と俳優としての矜持

洋酒メーカー、ジョニー・ウォーカーのCMでCGIブルース・リーのモーションキャプチャーを担当したほか、『イップ・マン 継承』（2015年）及び『イップ・マン 完結』（2019年）で若き日のブルース・リー役として出演するなど、ブルース・リー俳優としてのイメージは依然として強いですが、本人はそのイメージに囚われることなく、「そっくりさん俳優」としての役割を受け入れています。

プライベートと趣味

2014年には、映画『カンフー無敵』で知り合った香港の歌手エンメ・ウォンと結婚。2016年には、息子が誕生し、その息子に、ブルース・リーの映画『ドラゴン怒りの鉄拳』の主人公の名から「陳真」と名付けました。趣味は音楽、オートバイ、エクストリームスポーツ、スケートボードと多岐に渡りますが、1998年にはオートバイ事故で大怪我を負い、2013年にはスケートボードで半月板を損傷し、1年間仕事を休養するなどのアクシデントも経験しています。

主な出演作品

陳國坤は、数多くの映画やテレビドラマに出演し、その独特な存在感とアクションスキルで観客を魅了してきました。

映画
1995年: 壞孩子俱樂部（原題）（ダンス振り付け、主題歌兼任）
2001年: 少林サッカー（ダンス振り付け兼任）
2004年: カンフーハッスル（ダンス振り付け兼任）
2005年: カンフー無敵
2008年: ミラクル7号
2015年: イップ・マン 継承
2019年: イップ・マン 完結
テレビ
2008年: ブルース・リー伝説
* 2012年: 馬永貞（原題）

結論

陳國坤は、ブルース・リーへの深い敬愛と、自身の才能によって、映画界で確固たる地位を築き上げた俳優です。今後も、彼の活躍から目が離せません。

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