陸軍単発噴進式戦闘機

陸軍単発噴進式戦闘機

陸軍単発噴進式戦闘機は、1944年末に大日本帝国陸軍が計画したジェット戦闘機です。この機体は、ドイツのMe 262に匹敵する性能を持つことを目指して設計がスタートしましたが、残念ながら実際の開発は戦争の終結によって中止されてしまいました。

開発の経緯

陸軍航空工廠は、稼動時間が30分以上ある単発のジェットエンジンを搭載した戦闘機の試作を命じました。このプロジェクトには、陸軍航空工廠内での競合設計が含まれ、2つの異なる設計班が関与しました。両班ともに、戦闘機は低翼の単座機で、機首には大口径の機関砲を搭載するという共通の特徴を持っていました。

2つの設計班のうち、林航技大尉が主務者の班は流線型の胴体後部にエンジンを配置する案を提示しました。一方、家田航技中尉が主務者の班は、双垂直尾翼を持ち、重心位置が上部にあるずんぐりした胴体の設計案を提出しました。これらの設計案は、陸軍航空本部技術審査部の瀬川義雄技術少佐によって比較検討されました。

設計案の選定

検討の結果、林大尉の提案が採用され、設計が進むことになりました。しかし、戦争が終結することで、このプロジェクトも終了を余儀なくされました。このように、計画は立てられたものの実際の製作には至らなかったのです。

エンジンの選定についで

この戦闘機に搭載される予定だったジェットエンジンについては明確な情報は残されていませんが、幾つかの型式が選定の候補として挙がっていたとされています。具体的には、三菱製の「ネ330」、石川島芝浦の「ネ140」、日立の「ネ230」といったターボジェットエンジンが考慮されていたと言われています。

まとめ

陸軍単発噴進式戦闘機は、その開発が戦争の終了によって中止となったものの、その技術的な挑戦や競合した設計案は、日本の航空機開発史において重要な位置を占めています。こうした試作機の計画は、当時の技術力や戦略的な思考を探る手がかりとなることでしょう。この戦闘機が実用化されていたならば、戦局にどのような影響を与えたのかを考えると、自国の防衛や航空技術の発展における重要な意味を持っていたことが伺えます。

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