隅田 (伏見型砲艦)

隅田（すみだ）

隅田は、第二次世界大戦中に日本海軍で活動していた伏見型の砲艦であり、この艦船の名称は前代から引き継がれたものだ。隅田は、艦艇の種類として砲艦に分類され、日本海軍の重要な役割を果たした。

艦歴

隅田は、1940年5月31日に藤永田造船所で建造を完了し、正式に竣工した。その後、日本海軍の一員として、支那事変においては長江流域での哨戒任務に従事した。この活動は、地域の安定を保つために極めて重要であったとされてる。

また、太平洋戦争中も隅田は同様に長江流域の警備にあたった。1944年10月1日には、軍艦としての扱いから外れ、砲艦としてのカテゴリーに変更された。この変更は、戦局の変化や艦の状況を反映した結果であった。最後の戦闘を終えた時、隅田は上海に係留されており、終戦時には航行ができない状態であった。

終戦後、隅田は中華民国に接収され、「江犀」という艦名に改名されて国府海軍の一部とされた。しかし、1949年には中華人民共和国に投降し、改名を受けて「涪江」という新しい名前が与えられた。最終的には1960年代に除籍された。

艦長

隅田の艦長職を歴任したのは、以下の海軍の士官たちである。最初の艤装員長は中佐の藤牧美徳で、1939年11月20日から1940年5月31日までの間に就任していた。

その後の艦長は、以下の通りである：

• - 藤牧美徳 中佐（1940年5月31日 - 1940年10月15日）
• - 門田一治 少佐/中佐（1940年10月15日 - 1941年8月20日）
• - 山崎嘉吉 少佐/中佐（1941年8月20日 - 1942年6月22日 士官戦死）
• - 橋本正雄 少佐（1942年7月10日 - 1943年11月3日）
• - 大西勇治 少佐（1943年11月5日 - 砲艦長になる1944年10月1日）
• - 神尾彪一 大尉/少佐（1944年10月10日 - 1945年1月10日）
• - 鈴木正雄 大尉（1945年1月10日 - 1945年8月15日）

艦長は艦の運営に大きな影響を与えるため、それぞれの艦長は任期の間、艦の運命を左右する重要な役割を果たしていた。

同型艦

隅田の同型艦にはもう1隻、伏見（II）が存在する。これは隅田と同じ艦級にあたる砲艦であり、直接の戦友として戦局に従事していた。隅田の艦歴は、戦争の動態を映し出す一端ではあるが、同時に日本海軍が抱えていた課題や困難をも示している。

文献と参考資料

本艦についての詳細は、以下の文献で確認できる：

• - 呉市海事歴史科学館編『日本海軍艦艇写真集 航空母艦・水上機母艦』 （ダイヤモンド社、2005年）
• - 片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝』 （普及版、光人社、2003年）

隅田は、日本海軍の艦艇の中でも特に注目すべき存在であり、その歴史的背景は日本の近代海軍の一端を示すものである。

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