階級章 (自衛隊)

自衛隊の階級章について

自衛隊では、階級に応じて定められた階級章を制服に着用します。この階級章は、自衛官の階級を識別するだけでなく、所属する部隊や職務を示す重要な役割も担っています。

階級章の種類

自衛隊の階級章は、制服の種類に応じて異なるデザインが採用されています。大きく分けて、以下の種類があります。

甲階級章: 冬服、第1種夏服、作業服、外とう、雨衣（曹以上）などに着用されます。
乙階級章: 第2種夏服、第3種夏服などに着用されます。
丙階級章: 海上[[自衛隊]]のみに存在し、第1種夏服、第3種夏服、礼服夏、防暑服装などに着用されます。
礼服用階級章: 礼服着用時に着用されます。
略章: 戦闘服装や航空服装などの特殊服装時に着用されます。

これらの階級章は、さらに陸上自衛隊、海上[[自衛隊]]、航空自衛隊のそれぞれでデザインが異なり、各々の特色を表しています。

階級章のデザイン

階級章には、桜を図案化したマークが取り入れられています。この桜のマークの数や、横線の数、太さなどを組み合わせることで、階級が示されます。

陸上・航空自衛隊
将官: 桜星のみ
佐官: 桜星と横線2本
尉官: 桜の花と横線1本
曹: 山線・弧線の組み合わせ
士: 谷線の組み合わせ

海上[[自衛隊]]
幹部: 桜星と横線の数、太さの組み合わせ
曹: 谷線の数や弧線・錨との組み合わせ
士: 谷線の数や弧線・錨との組み合わせ

略章については、海上[[自衛隊]]の曹士向けは、かつて白地に黒の略章を用いていましたが、黒地のものに変更されました。また、黒地に金・赤等を用いた「識別型」のほか、黒地に濃茶色または青・黒・紺の迷彩模様地に灰色の「低視認型」が用いられる場合もあります。航空自衛隊も、かつては青と白を基調にしていたものが、灰色をベースとした低視認性のものに更新されています。

階級章の着用箇所

階級章は、制服の所定の位置に取り付けられます。甲階級章は金属製で、桜または横棒のパーツを組み合わせて装着します。礼服用階級章は、丸打ちひもと金属製の桜星で構成されています。乙階級章は布製で、筒状の構造をしており、肩章として用いられます。

陸上自衛隊では、冬服、第1種夏服、作業服、作業外被、外とう、雨衣（曹以上）に甲階級章が着用され、第2種夏服、第3種夏服には乙階級章が着用されます。礼服には礼服用階級章が着用されます。

海上[[自衛隊]]では、冬服、第1種外とう（曹及び海上[[自衛隊]]生徒）、第2種外とう（士）、女性第1種外とう（曹以下）、女性第2種外とう（曹以下）、雨衣（曹以下）、礼服冬、女性礼服夏に甲階級章が着用されます。第2種夏服、第1種作業服、第2種作業服、第1種外とう（幹部・准尉）、雨衣（幹部・准尉）には乙階級章が着用されます。第1種夏服、第3種夏服、第2種外とう（幹部・准尉）、礼服夏、防暑服装には丙階級章が着用されます。

航空自衛隊では、冬服、第1種夏服、作業服、外とう、雨衣（曹以上）に甲階級章が着用され、第2種夏服、第3種夏服には乙階級章が着用されます。礼服には礼服用階級章が着用されます。

階級章の変遷

略章においては、かつては白地に黒のものが使用されていたり、青と白を基調としたものが使用されていましたが、視認性の変化から黒や灰色を基調としたものに変化しています。また、海外派遣部隊においては、現地の環境に合わせた迷彩色の略章が用いられることもあります。

まとめ

自衛隊の階級章は、階級を識別するだけでなく、所属する部隊や職務を示す重要な標識です。各階級章のデザインや着用箇所を理解することで、自衛隊の組織構造や文化への理解を深めることができます。桜のマークを基調としたデザインは、日本の自衛隊ならではの象徴的な意匠と言えるでしょう。

参考資料

オールカラー陸海空自衛隊制服図鑑 内藤修, 花井健朗 並木書房 2006年 ISBN 978-4890631995
自衛隊法施行規則（昭和29年総理府令第40号） - e-Gov法令検索
自衛官服装規則
陸上自衛官服装細則
海上自衛官服装細則
航空自衛官服装細則
階級章（自衛隊大阪地方協力本部）
自衛官の階級章の略章に関する訓令
自衛官候補生の制服等の着用及び自衛官候補生き章の制式等に関する訓令

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