雀聖下
『ゲーム・オブ・スローンズ』シーズン5 第3話「雀聖下」の詳細解説
このエピソードでは、様々な場所で物語が同時進行し、それぞれの登場人物たちが重要な局面を迎えます。
キングズランディング
トメン王とマージェリーの結婚が執り行われ、新婚の二人は初夜を迎えます。マージェリーは若き王を操り、サーセイをキャスタリー・ロックに帰らせようとしますが、サーセイはこれを拒否します。マージェリーの策略に気付いたサーセイは、表向きは優しい姑を演じながらも、内心ではマージェリーへの対抗心を燃やします。しかし、トメンとの情熱的な夜の様子を聞かされ、サーセイは無力感を覚えます。
一方、七神正教の総司祭は、ランセル・ラニスター率いる「雀」と呼ばれる集団に襲われ、裸で街を歩かされるという屈辱を受けます。この事件をきっかけに、サーセイは「雀聖下」と呼ばれる新たな宗教指導者と出会います。サーセイは、彼を新たな総司祭に任命することで、宗教勢力を自らの支配下に置こうとします。さらに、サーセイはクァイバーンにベイリッシュへの手紙を書かせ、何かを企んでいる様子を見せます。クァイバーンの手術室では、グレガー・クレゲインの遺体が動いており、不気味な雰囲気を醸し出しています。
北部
ウィンターフェルでは、シオン（リーク）が城の修復作業を見守っています。彼は中庭に吊るされた皮を剥がれた死体を見て、恐怖を感じます。ルース・ボルトンとラムジーの会話を立ち聞きし、ボルトン家の軍勢がスターク家の旗主に反抗された場合、十分ではないことを知ります。ルースは、婚姻によって同盟を強化することが賢明だと考え、ラムジーに結婚を勧めます。
ピーター・ベイリッシュは、ラムジーとの婚姻をサンサに伝え、サンサは兄と母を殺したボルトン家との結婚に抵抗を感じます。しかし、ピーターはこれを復讐の機会だと説得し、サンサは考えを改めます。ウィンターフェルに到着した二人は、ルース、ウォルダ、ラムジーに出迎えられます。ラムジーはサンサを傷つけないとピーターに誓いますが、ルースは疑念を抱いています。ピーターは、ラニスター家がもはや脅威ではないと主張し、ルースはサーセイからピーター宛ての手紙を提示します。ピーターは同盟を認めますが、ルースは手紙の内容を知りたがります。ブライエニーとポドリックは密かに二人の後を追っており、その道中で、ブライエニーはレンリー・バラシオンへの忠誠心と、レンリーの死に関わったスタニスへの復讐心を語ります。
〈壁〉
ジョン・スノウは、スタニスの嫡子になるという提案を拒否します。スタニスは、ウィンターフェルを攻撃するために2週間以内に〈壁〉を離れると告げます。ジョンは、アリザー・ソーンを哨士長に任命し、ジャノス・スリントを〈灰色の盾〉の指揮官に任命します。スリントはこれを拒否し、ジョンを侮辱したため、ジョンは自らスリントを斬首します。スタニスは、ジョンの決断を黙って承認します。
ブレーヴォス
アリアは、「顔のない男たち」の一人であるジャクェン・フ＝ガーの訓練を受けることを望みます。ジャクェンはアリアが自分自身に仕えようとしていると非難し、彼女が水盤から水を飲んだ男の死を目撃させます。この水は安楽死のための毒であることが明らかになります。アリアは浮浪児に襲われ、ジャクェンは彼女がアリア・スタークの持ち物を手放せないことを指摘します。アリアは持ち物を海に捨てますが、ニードルだけは隠し持ったまま、黒と白の館に戻ります。ジャクェンはアリアを地下室に連れて行き、死体を洗う仕事をさせます。
ヴォランティス
ヴォランティスに到着したティリオンは、ヴァリスを説得して馬車を降り、街を歩きます。二人は紅の祭司がデナーリスを救世主と説く様子を目にします。祭司に気付かれた二人は娼館に隠れます。ティリオンは娼婦と話しますが、セックスをする気にはなれず、外に出たところでジョラーに誘拐されます。ジョラーは、ティリオンを女王（または王妃）のところに連れて行くと告げます。
評価
このエピソードは、アメリカでの初回放送時に671万人の視聴者数を記録しました。また、プライムタイム・エミー賞のプロダクション・デザイン賞（現代劇/ファンタジードラマ部門、1時間以上）を受賞しました。
このエピソードは、物語が大きく動くターニングポイントとなり、今後の展開に大きな影響を与える重要な要素が数多く含まれています。
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