難民支援協会

特定非営利活動法人難民支援協会（JAR）について

特定非営利活動法人難民支援協会（Japan Association for Refugees、略称JAR）は、日本に逃れてきた難民や難民申請者、仮放免者など、困難な状況にある外国籍の人々を支援する日本の人権団体です。JARという略称から、外国籍者を中心に「ジャー」という愛称で呼ばれることも多く、スタッフ間でも親しまれています。

活動内容

JARは、難民申請者からの電話相談対応、空港への駆けつけ、面談、緊急的な住居確保や生活物資の提供など、多岐にわたる支援を行っています。複雑な申請書類の作成サポートや、医療保険が適用されない難民のための医療支援、日本での定住支援、そして政策提言など、難民が安心して生活を送るための包括的なサポートを提供しています。日々、約50件もの相談が難民申請者から寄せられており、その多くは日本にコミュニティを持つミャンマー出身者や、エチオピア、コンゴ民主共和国、ウガンダ、ナイジェリアなどアフリカ諸国出身者です。

JARは、国際連合難民高等弁務官事務所（UNHCR）の事業実施契約締結団体にも指定されており、国連経済社会理事会（ECOSOC）からも特別協議資格団体として認められています。また、2017年2月には、日本初の民間主導による難民受け入れ「プライベート・スポンサーシップ」を開始し、シリア難民の留学生への高等教育機会の提供も実現しました。

歴史

1999年7月、難民申請者の過酷な状況を知った有志によってJARは設立されました。初代代表理事には地理学者の鴨澤巌氏、事務局長にはアムネスティ・インターナショナル日本支部で活動していた筒井志保氏が就任。2000年にはUNHCRとの事業実施契約を締結し、2003年からは中村義幸氏が代表理事を務めました。2014年12月には、2代目事務局長の石川えり氏が代表理事に就任し、現在に至ります。

設立当初から、難民支援の第一線で活動を続け、日本の難民問題に対する社会的な認知度向上に貢献しています。

政策提言活動

JARは、難民認定制度の改善に向けた政策提言活動も積極的に行っています。2004年の難民認定法改正時には、各政党の委員会で意見表明を行い、2009年には参議院総務委員会に事務局長が参考人として招致されました。また、2020年には入管法改正に関する懇談会や合同PTで発言を行い、2021年と2023年には入管法改正案の問題点を訴えるキャンペーンを実施しました。

東日本大震災被災地の支援

東日本大震災発生時には、被災した外国人女性を対象に、ホームヘルパー資格取得支援などの就労支援事業を宮城県気仙沼市などで実施しました。

出版物

JARは、難民支援に関する理解を深めるため、以下の書籍を出版しています。

『支援者のための難民保護講座』本間浩監修／特定非営利活動法人難民支援協会編（現代人文社、2006年）
『外国人をめぐる生活と医療――難民たちが地域で健康に暮らすために』森恭子監修／特定非営利活動法人難民支援協会編（現代人文社、2010年）
『海を渡った故郷の味 Flavours Without Borders』認定NPO法人難民支援協会（著）（ジュリアン、2013年）

受賞歴

JARの活動は高く評価されており、数々の賞を受賞しています。

2005年10月 優秀志民活動賞 受賞
2006年1月 第20回東京弁護士会人権賞 受賞
2007年9月 第1回共生・地域文化大賞 優秀賞
2009年8月 第21回毎日国際交流賞 受賞
2013年1月 国際交流基金地球市民賞 受賞
2013年12月 エクセレントNPO大賞 大賞・組織力賞 受賞
2016年10月 第8回沖縄平和賞 受賞

組織概要

現在の本部所在地は、東京都千代田区西神田2-5-2 TASビル4階です。直接の相談にも応じています。

外部リンク

公式ウェブサイト
難民支援協会 (ja4refugees) - Facebook
難民支援協会 (@ja4refugees) - X（旧Twitter）
ハフポスト日本版'>難民支援協会 - ハフポスト日本版

JARは、難民の人々が日本で安心して生活できるよう、今後も多岐にわたる支援活動を続けていきます。

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