難波橋

難波橋：大阪のシンボル「ライオン橋」の魅力

難波橋は、大阪市の中央区北浜と北区西天満を結び、大川に架かる堺筋の橋です。その全長は約189.7m、幅は約21.8mで、堂々とした姿を見せています。地元では「ナンニャバシ」という愛称で親しまれ、浪速の名橋50選にも選ばれている、大阪を代表する橋の一つです。

難波橋の歴史

難波橋の起源は古く、704年頃に行基によって架けられたと伝えられています。天神橋、天満橋と共に浪華三大橋と称され、最も西に位置していました。かつては「浪華橋」とも呼ばれ、明治時代末期までは堺筋の一筋西の難波橋筋に架かっており、その長さは約207mにも及ぶ反り橋でした。

1661年には幕府が管理する公儀橋となり、1766年には中之島東端の埋立造成により、難波橋からの眺めは絶景と評されました。1876年には北半分が鉄橋に架け替えられましたが、中之島の拡張により、難波橋は中之島を跨ぐ形となりました。1885年の淀川洪水では南半分が流失し、翌年に木桁橋に架け替えられました。1901年には北半分の鉄橋もI桁橋に架け替えられています。

現在の難波橋は、1915年に完成しました。これは、大阪市電の延伸に伴い、パリのセーヌ川に架かるヌフ橋とアレクサンドル3世橋を参考に、堺筋に新たに架けられたものです。当初は大川橋とも呼ばれていましたが、旧橋の撤去後、名実共に難波橋となりました。

1975年には大規模な改修が行われ、現在に至る姿となりました。

「ライオン橋」の愛称

難波橋の南北の詰めには、黒雲母花崗岩で作られた4体の獅子像が鎮座しています。この獅子像があることから、「ライオン橋」という愛称で親しまれています。このライオン像は、天王寺動物園にいた珍しいライオンをモデルに、天岡均一によって制作されました。像はそれぞれ阿形と吽形になっており、狛犬の形式を採っています。

この獅子像については、江戸時代にこの地に祀られていた白玉稲荷神社との関連を指摘する説もありますが、直接的な関係はないとされています。また、相場師として成功した松井伊助が寄付したという説もありますが、これも定かではありません。

デザインの特徴

難波橋は、中之島水上公園計画の一環として設計されたため、石橋風の外観、公園と一体化した階段、高欄の獅子像など、洗練されたデザインが特徴です。親柱にはペディメントやメダリオンがあしらわれ、大阪市の市章である「みおつくし」をアレンジした意匠が施されています。1975年の補修工事では、戦時中に金属供出で失われた欄干や橋上灯が復元され、近代大阪を彩った美しい外観が保たれています。

周辺情報

難波橋の周辺には、中之島公園、京阪中之島線なにわ橋駅、北浜、京阪本線・地下鉄堺筋線北浜駅、大阪取引所、北浜郵便局などがあります。中之島は、大阪のビジネスと文化の中心地であり、美しい景観を楽しめる場所としても人気です。

難波橋は、その美しい姿と歴史を通じて、大阪の発展を見守ってきたシンボルです。大阪を訪れる際には、ぜひこの橋を渡り、その魅力を体感してみてください。

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