雪だるま超特急

『雪だるま超特急』（1972年）は、ウォルト・ディズニー・プロダクションが製作したアメリカ映画です。都会の喧騒に疲れたジョニー・バクスターは、コロラド州シルバー・ヒルに住む遠戚から思いがけない遺産を相続します。遺産の大半は、ロッキー山脈の山奥にあるグランド・インペリアル・ホテルとその周辺の土地でした。

ジョニーは家族を連れてコロラドへと旅立ちますが、現実は彼を待ち構える厳しい試練の始まりでした。遺産として期待していたホテルは、荒れ果てた空き家同然。そこに住み着いていた老鉱山師のマッコードを雇い、ホテルの修復に乗り出します。しかし、資金調達には苦労します。

銀行家のリッジウェイから資金援助を得る計画は失敗に終わり、ジョニーはホテルの土地を利用してスキー場を建設することを思いつきます。ホテルを担保に3000ドルの融資を受けますが、予期せぬ事態によってその資金は別の用途に使われてしまいます。

そんな中、マッコードがかつて鉱山で使っていた古い蒸気エンジンが、ホテル修復作業中の事故で爆発し、ホテルに激突するというハプニングが発生。絶体絶命の状況に追い込まれたジョニーは、賞金獲得を目指して町で行われる雪上車レースに参戦しますが、優勝はリッジウェイに奪われてしまいます。

全ての計画が失敗したかに思われたある日、ジョニーのもとにホテルの秘書ウィギントンが訪れます。遺産には、ホテル周辺の広大な土地（1200ヘクタール）に生い茂る木材と、町に遺贈される土地が含まれていたのです。しかし、遺贈された土地には、町が計画していた病院や図書館などの公共施設を建設する条件が付けられており、それらの施設がすでに存在しなかったため、その土地はジョニーのものとなりました。

この一件で、ジョニーは予想外の幸運を手にします。荒廃したホテルと広大な土地という、一見価値のない遺産から、ジョニーは持ち前の機転と行動力で、新たな人生を切り開いていくのです。この映画は、予想外の展開と、ジョニーを取り巻く個性豊かなキャラクターたちの活躍によって、軽妙洒脱な笑いと感動を織り交ぜながら物語が展開します。

監督はノーマン・トーカー、製作はロン・ミラー、脚本はドン・テイト、ジム・パーカー、アーノルド・マーゴリンが務めています。その他、フランク・フィリップス（撮影）、ロバート・F・ブランナー（音楽）など、多くのスタッフが本作品を支えました。ディーン・ジョーンズを始めとする豪華な俳優陣の演技も、この映画の魅力を高めています。

『雪だるま超特急』は、困難に立ち向かう主人公の姿を通して、人生の不確定さと、そこから生まれる可能性をユーモラスに描いた、忘れがたいコメディ映画と言えるでしょう。 様々な思わぬ出来事がジョニーを待ち受ける展開は、見るものを飽きさせず、最後まで楽しませてくれます。 この作品は、ディズニー映画の中でも独特な魅力を持つ、隠れた名作として高く評価されています。様々なサイトで詳細情報が確認できます。allcinema、KINENOTE、IMDb、TCM Movie Database、オールムービーなどで検索してみてください。

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