雪月花 (銘菓)

雪月花（せつげっか）

大分県に位置する大分市の名物として知られる『雪月花』は、伝統的な和菓子の一つです。このお菓子は、もち米を原料とした薄いせんべいに、自家製のゆず練を挟み込んだもので、見た目にも美しい三色の色合いを持っています。色はそれぞれ雪を象徴する白、月を表す薄青、花をイメージした薄紅で、目にも楽しいお菓子です。

この『雪月花』は、古後老舗で知られる橘柚庵（きつゆあん）によって製造されています。古後老舗は、明治元年、1868年に創業された歴史ある店で、創業以来『雪月花』ともう一品の菓子『甘露柚練』のみに特化していることでも有名です。そのため、雪月花はその製造技術や素材において、こだわりを持って作られていることがわかります。

菓子のデザインとアート

雪月花の外箱には、特筆すべき美しい装丁が施されています。このデザインは、大分県出身の著名な画家福田平八郎と彫刻家朝倉文夫によって手がけられました。二人のアーティストは、それぞれ異なるスタイルで雪月花の美しさを引き立てる絵を描き、題字を記したことで、この和菓子には視覚的な魅力が加わっています。お菓子の味わいだけでなく、見た目の美しさも楽しめる点が、この和菓子の大きな魅力となっています。

ゆず練の特長

このお菓子に使われるゆず練は、特に愛媛県の有名な柑橘類であるゆずを使用しています。ゆず練は、爽やかな香りとほのかな酸味が特徴で、雪月花のもちもちとした食感との相性が抜群です。もち米で作られたせんべいの甘さと、ゆずの風味とのバランスが絶妙で、一口食べるとその魅力に引き込まれます。また、柚子は日本の四季を感じさせる素材でもあり、季節を問わず楽しめる和菓子として親しまれています。

大分県の文化とお土産

大分県は温泉地としても有名で、多くの観光客が訪れます。そのため、外国からの観光客はもちろん、日本国内の旅行者にとっても『雪月花』はお土産として非常に人気があります。また、この和菓子は贈り物やおもてなしにも好まれるため、特別な場面で使われることも多いです。地元産の素材をふんだんに使用し、伝統的な製法に基づいた作りは、訪れる人々に大分の文化を伝える一助となっています。

雪月花はその外見や味わいだけでなく、製造過程における職人の技、アート的な側面、地域文化の象徴としても多面的な魅力を持つ和菓子です。大分市に訪れた際には、ぜひ一度味わってみてください。

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