雷電 (メタルギアシリーズ)

雷電：メタルギアシリーズの主人公

雷電（らいでん、1982年 - ）は、コナミ（現コナミデジタルエンタテインメント）の人気アクションゲーム「メタルギア」シリーズに登場する架空の人物で、シリーズの主人公の一人です。本名はジャック。銀髪の中性的な容姿を持ち、女性と間違われることもあります。声優は日本語版では堀内賢雄氏、英語版ではクイントン・フリン氏が担当。派生作品ではチャーリー・シュラッター氏が声を演じています。

人物像

雷電は、生真面目で単純な性格ですが、非常に高い戦闘能力を持ちます。ソリッド・スネークの兄弟であるソリダス・スネークを倒したことからも、その実力が窺えます。しかし、過去のトラウマから自身の内面を深く探ることを避け、恋人であっても心を開くことを恐れる一面も持っています。普段は必要最低限の物しかない部屋で生活しており、自己の内面に深く入り込まれることを極端に嫌います。

ビッグ・シェル潜入作戦までは「スネーク」のコードネームを使っていましたが、後に「雷電」に変更されました。これは、第二次世界大戦中の大日本帝国海軍の局地戦闘機「雷電」に由来し、彼が単なる兵器であることを示唆しています。興味深いことに、戦闘機の雷電の連合国側のコードネームは「Jack」であり、彼の本名と逆の関係になっています。

『メタルギアソリッド2』では、主人公がソリッド・スネークから雷電に変更されたことで、ファンから批判的な意見も出ました。その後、雷電はカツラ疑惑をかけられたり、全裸で敵から逃げるシーンが作られるなど、コミカルな役回りも多くなりました。派生作品やプロモーション映像でも、そのキャラクター性が強調されています。

家族と過去

義父：ソリダス・スネーク
妻：ローズマリー
息子：リトル・ジョン

雷電はリベリア出身で、少年時代にソリダス・スネークによって両親を殺害されています。その後、ソリダスの元で兵士として育てられ、リベリア内戦に少年兵として参加しました。洗脳に近い暗示をかけられ、過酷な環境で戦闘能力を磨きました。白人であることと、その殺害人数から「白い悪魔」「ジャック・ザ・リッパー」と呼ばれるようになり、恐れられました。内戦終結後、人権団体に保護され、アメリカに渡りました。

アメリカ陸軍に入隊後、ナノマシンによる記憶操作とVR訓練を受けます。この過程で、後に恋人となるローズと出会います。

関わった事件

ビッグ・シェル占拠事件（プラント編）

2009年4月29日、『メタルギアソリッド2』で描かれた事件です。海上除染施設「ビッグ・シェル」がテロリストに占拠された際、雷電は新生FOXHOUND隊員として単独潜入します。この時、ナノマシンによって記憶を操作され、実戦経験がない新兵という偽りの記憶を植え付けられていました。しかし、徐々に過去の記憶を取り戻し、自身の存在意義や周囲の状況に疑念を抱き始めます。最終的には、事件の首謀者であるソリダス・スネークとの決着をつけ、事件を解決へと導きます。

ガンズ・オブ・ザ・パトリオット事件

2014年、『メタルギアソリッド4』で描かれた事件です。雷電はローズと生活していましたが、過去のトラウマから荒んだ生活を送るようになり、ローズの元を去ってしまいます。その後、対「愛国者達」レジスタンスに協力し、人体強化改造を受けてサイボーグとなります。ソリッド・スネークの援護に駆けつけ、数々の戦闘を繰り広げます。事件後、ローズと復縁し、息子とも心を通わせ、新たな人生を歩む決意をします。

新興国首相誘拐事件・アブハジア首都占拠事件

2018年、『メタルギア ライジング リベンジェンス』で描かれた事件です。雷電は民間軍事警備会社に所属し、サイボーグとしての能力を活かして活躍します。過去の経験から、「一殺多生」を信条とするようになります。しかし、会社の活動には限界を感じ、自らの内面の闇と向き合うことになります。この作品では、より人間味あふれる一面も描かれています。

イワン・ライデノヴィッチ・ライコフ

『メタルギアソリッド3』には、雷電と容姿が酷似したイワン・ライデノヴィッチ・ライコフという人物が登場します。ライコフは、雷電の家系を示唆するものの、明確な関係性は不明です。しかし、格闘スタイルや台詞など、雷電との共通点が多数見られます。

メタルギアオンライン

雷電は、メタルギアオンラインシリーズにも登場します。シリーズごとに性能や装備が異なり、その高い機動力と戦闘能力を活かした戦いが可能です。

誕生の経緯

雷電は、ゲーム製作時に女性ファンを取り込む目的で、若い美形のキャラクターとして考案されました。また、ソリッド・スネークが何度も初期状態に戻って戦うことに不自然さを感じたことから、新たな主人公として雷電が選ばれました。少年兵問題もテーマとして取り入れられましたが、映像の使用は中止されました。

当初、名前の表記はカタカナの「ライデン」でしたが、9.11テロ事件の影響で漢字表記の「雷電」に変更されました。

その他の出演作品

『メタルギアソリッド ポータブル・オプス+』
『プレイステーション オールスター・バトルロイヤル』
* 『メタルギアソリッドV グラウンド・ゼロズ』

雷電は、メタルギアシリーズを代表する重要なキャラクターの一人であり、彼の複雑な過去と内面、そして壮絶な戦いの歴史は多くのファンを魅了しています。

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