電光オズマ

電光オズマ

概要

『電光オズマ』は、松本零士（当時は松本あきら名義）が手掛けた日本のSF漫画で、1961年から1962年にかけて『ぼくら』（講談社）で連載されました。この作品は、侵略者ノバ帝国に対抗する主人公たちの冒険を描いたストーリーです。単行本は1971年に虫プロから全2巻、1975年には若木書房から全3巻、1983年には大都社より再版されています。さらに、2010年には小学館から『松本零士 初期SF作品集限定BOX』内に上下巻が収録されましたが、特に若木書房版に焦点を当てた作品解説を行います。

ストーリーの流れ

物語は三部作に分かれ、それぞれが独自の舞台設定を持っています。最初の部では、架空の日本で貨物船が雷撃を受けるところから始まります。侵略者ノバ帝国によって人類が脅威に晒される中、「電光オズマ」という謎の男と彼の配下の戦闘部隊が、日本を救うために立ち上がります。

各話の内容

侵略者ノバ帝国の巻

物語の最初の部分では、ノバ帝国が日本を目的とした人類奴隷化計画を発表し、主人公・塚森ススムは父を失います。彼は電光オズマに出会い、戦闘機部隊の一員になることを決意します。ススムとオズマは、新たに構築されるノバ帝国の拠点を破壊しに向かうが、敵の首領ガンモスが新たに兵器を開発していることが判明し、さらなる戦いが待ち受けます。

なぞの化石円盤の巻

次のエピソードでは、東京が大地震に襲われ、ススムたちがアフリカ大陸のウガンダへ派遣されます。彼らは恐竜の襲撃や敵国の妨害に遭遇し、古代の化石円盤を発見します。発見された円盤は、遥か昔に地球に不時着したもので、ペガン星人の遺物でした。彼らはススムたちと一緒に力を合わせてこの危機に立ち向かいます。

宇宙戦艦大和の巻

最後の部分では、宇宙からサタン星が迫り、宇宙戦艦大和が建造中に攻撃を受けます。オズマとその仲間たちが宇宙戦艦を守り、サタン星の脅威と闘います。エルムーンという謎の少女が登場し、大和を救うための情報を提供しますが、彼女の正体と目的は最後まで謎に包まれます。

キャラクター紹介

塚森ススム

主人公であり、勇敢な少年。彼は正義感が強く、父の幻影を追い求めます。逆境にも負けず、仲間たちと共に戦います。

電光オズマ

オズマ部隊の隊長であり、神秘的な存在。彼は超人的な格闘技術を持ち、様々な科学技術についても詳しいキャラクターです。正体は最後まで謎のままです。

ガンモス

ノバ帝国の首相で、物語の悪役。彼は能力を高めたコントロールを持つ機械人間であり、地球支配を目論む独裁者です。

発表と影響

本作は、松本零士の後の作品に対しても強い影響を与え、SF漫画というジャンルへの高い評価を獲得しています。『電光オズマ』はその時代背景を反映しつつも、自由で大胆な発想が光る作品となっています。後の代表作である『宇宙戦艦ヤマト』や『潜水艦スーパー99』にも共通するテーマが見られ、松本零士の創造性が結実した作品といえるでしょう。

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