電動車椅子サッカー

電動車椅子サッカーについて

電動車椅子サッカーは、電動車椅子で行うサッカー競技で、障害者スポーツの一環として位置づけられています。フットガードを備えた電動車椅子でボールを蹴り、試合中の戦略と技術が求められるこのスポーツは、英語圏では「パワーチェアーフット[[ボール]]」と呼ばれています。国際的な統括団体であるFIPFA（国際電動車椅子サッカー連盟）がルールや規定を定め、日本では日本電動車椅子サッカー協会（JPFA）が運営を行っています。

試合の概要

試合は前後半20分ずつの40分間で行われ、各チームはゴールキーパーを含む4名から構成されます。得点を多く挙げたチームが勝利します。基本的な競技規則は一般的なサッカーやフットサルと似ていますが、特殊なルールも存在します。たとえば、ボールを持つ選手と相手チームの選手が一定の範囲内にいる場合、その状況は「2対1」と見なされ反則とされます。しかし、相手のゴールキーパーがその範囲内にいる場合は、このルールが適用されません。また、自陣のペナルティーエリアへの選手の侵入についても規制があります。選手は交代も可能で、主審の許可のもとで必要に応じて再度プレーに参加できます。

用具と設備

競技においては、選手はジャージなどを着用し、フットガードが装備された電動車椅子を使用します。国際大会では、車椅子の速度は時速10km以下と定められており、選手は安全のためにシートベルトを着用しなければなりません。試合は屋内のコートで行われ、サイズはバスケット[[ボール]]のコートと同様の15m×28m。ゴールにはポストやパイロンが用いられ、幅8m、奥行き5mのゴールエリアがあります。ボールは革またはビニール製で直径33cm程度のサイズが使われ、大きさが標準的なサッカーボールから異なります。

歴史的背景

電動車椅子サッカーは1978年にフランスで始まり、1980年代には北米でも同様の競技が発展しました。日本では1982年に大阪市身体障害者スポーツセンターで初めて行われ、日本初のチームは「大阪ローリングタートル」と名付けられました。フランスの大会では、1989年に同競技が公開され、1991年には公式に競技としてスタートしました。

2011年の第2回FIPFAワールドカップでは日本代表が5位となり、審判員も重要な役割を果たしました。今回の大会は、歴史的な瞬間を迎える中で国際色豊かな競技へと成長し、2017年には第3回大会が開催されました。次回のワールドカップは、2023年10月にオーストラリアのシドニーで行われる予定です。

日本のチーム

日本には各都道府県に所属する多くのチームが存在し、豊かな競技環境が整っています。2022年度の主なチームには、北海道の「Safilva」、埼玉県の「BLACK HAMERS」、東京都の「レインボー・ソルジャー」などがあります。参加チームは全国各地に広がり、電動車椅子サッカーの普及に寄与しています。

まとめ

電動車椅子サッカーは、障害者スポーツとしての重要な役割を果たしており、技術の進化と共にその競技としての魅力も増しています。今後の国際大会や国内リーグ戦における動向が引き続き注目されています。このスポーツを通じて、多くの人々が競技の楽しさを体験し、交流を深めることを期待しています。

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