電卓付き腕時計

電卓付き腕時計：過去の革新と未来への架け橋

電卓付き腕時計は、1970年代に誕生し、1980年代に一世を風靡したデジタルブレスレットです。時計の文字盤に電卓のボタンが配置された独特なデザインが特徴で、当時としては画期的なウェアラブルデバイスでした。現在でも製造されており、そのレトロな魅力と実用性から、根強い人気を誇っています。

歴史

電卓付き腕時計の歴史は、1970年代半ばに遡ります。パルサー（後のハミルトン）やヒューレット・パッカードといったメーカーが初期のモデルを開発しました。これらのモデルは、ボタンが非常に小さく、ペン先などを使って操作する必要がありました。

1980年2月、日本のカシオが、指で直接ボタンを押せる世界初のモデル「C-80」を発売しました。このモデルは、操作性の向上により、電卓付き腕時計の人気に火をつけました。カシオはその後も、電卓機能に加えて、スケジュール、名前、住所、電話番号などを保存できる「データバンク」シリーズを開発し、多機能化を推進しました。

また、ネルソニックからは、ミクロビデオゲームがプレイできる多目的腕時計「Nelsonic game watch」も登場し、話題を集めました。

電卓付き腕時計は、1980年代初頭に大量生産され、1980年代半ばには最盛期を迎えました。しかし、スマートフォンの普及などにより、次第にその存在感を薄めていきました。

スマートウォッチとの関係

実用性に乏しい「キワモノ」として扱われることもあった電卓付き腕時計ですが、そのコンセプトは、2010年代に登場したスマートウォッチに引き継がれました。スマートウォッチは、電卓機能だけでなく、様々なアプリや通信機能を搭載し、より高度な情報処理を可能にしました。一方、従来の電卓付き腕時計も、レトロなデザインやシンプルな機能が評価され、併売されています。

主なブランド

カシオ データバンク: 電卓付き腕時計の代名詞とも言える存在。多機能性と個性的なデザインが人気を集めました。
タイメックス: シンプルでスタイリッシュなデザインが特徴。手頃な価格帯も魅力です。
パルサー: 初期の電卓付き腕時計を開発したメーカーの一つ。先進的な技術が評価されました。

関連項目

キャラクター商品: 高度経済成長期からバブル期にかけて、スーパー戦隊の変身ブレスなど、腕時計型の玩具が多数発売されました。これらの玩具は、子供たちの憧れの的でした。

外部リンク

Programmable calculators - Specifications and descriptions
WATCH. History of the modern wrist watch. - Section on Calculator Watches
* Vintage Digital Watches - Home of Vintage Retro Digital LCD Watches

電卓付き腕時計は、単なる計算機ではなく、時代を象徴するガジェットであり、技術革新の歴史を物語る存在です。そのレトロな魅力は、現代においても色褪せることはありません。

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