電撃hp公式海賊本

電撃hp公式海賊本（でんげきエイチピーこうしきかいぞくぼん）は、株式会社メディアワークス（現・KADOKAWA）がかつて刊行していたライトノベル系文芸雑誌『電撃hp』、そしてその後継誌である『電撃文庫MAGAZINE』と連動して企画・制作されたアンソロジー集です。これらの雑誌に掲載される機会がなかった作品や、人気ライトノベルシリーズの番外編、さらには海賊本独自の企画のために書き下ろされた小説、イラスト、漫画などが収録されています。

本シリーズは、2003年に発売された『電撃ヴんこ』を最初として刊行が始まりました。以降、基本的に年に1冊から2冊程度のペースで、様々なテーマや内容の海賊本が世に送り出されています。

この出版物は、一般の書店ではほとんど販売されず、入手方法が限定的であることが大きな特徴です。『電撃hp』や『電撃文庫MAGAZINE』誌上での通販告知を通じて購入申し込みを受け付けたり、メディアワークスが運営するオンラインストア「電撃屋.com」で販売されたりします。加えて、一部のキャラクターグッズ専門店で行われる期間限定フェアでの販売や、メディアワークスおよび電撃文庫が主催する大型イベント（例：電撃文庫 秋の祭典、電撃祭、電撃文庫 冬の陣など）での会場限定販売が行われることも少なくありません。本項目では、これらのイベント等で取り扱われた電撃文庫関連の公式海賊本も含めて解説します。

主な刊行ラインナップ

電撃ヴんこ (2003年)

シリーズの記念すべき第一弾。小説、コミック、イラストノベル、パロディイラスト、企画ページなど、多様なコンテンツを掲載。『キノの旅』『ブギーポップ』『ダブルブリッド』といった人気作品に加え、『灼眼のシャナ』など後の人気作の最初期の関連作品が収録されています。

電撃h・電撃p (2004年)

「電撃h」（コンセプト：えっちでドキドキ！）と「電撃p」（コンセプト：ぱろでぃでドキドキ！）として、コンセプト別に2冊が同時展開されました。それぞれ異なるテーマに基づいた小説やイラストを収録。人気作家陣による豪華客船を舞台にしたコラボレーション企画も両誌に掲載されました。

電撃hPa (2005年)

タイトルの読みは「でんげきヘクトパスカル」。この巻でも『学園キノ』シリーズの派生作品や、様々な作品のクロスオーバー、コラボレーション企画など、バラエティに富んだ内容が収められています。

電撃BUNKOYOMI (2006年)

「暦（こよみ）」の名を冠し、1年間をテーマにしたパロディ小説やイラストを中心に構成された一冊です。

電撃AprilFool (2007年)

2007年4月のイベント「電撃文庫 春の祭典」で限定販売。当時人気を博していた『キノの旅』『灼眼のシャナ』『いぬかみっ！』『バッカーノ!』『デュラララ!!』など、多数の電撃文庫作品の関連作品を収録しました。

電撃h&p (2007年)

2007年11月の「電撃15年祭」で限定販売。タイトルは「はじまり＆ピリオド」と読み、電撃文庫作家陣が手掛けた自作品の「架空の第一話」や「架空の最終回」というユニークなテーマの短編・企画集です。

電撃パンチランキング (2007年) / 電撃パンチランキング2 (2009年)

それぞれ「電撃15年祭」「電撃キャラクターフェスティバル2009」で限定販売されたイラスト集。電撃文庫作品のヒロインたちの「パンチラ」をテーマに、イラストレーターによる描き下ろしイラストが多数掲載されました。

電撃“にせ”ん!! (2010年)

2010年のイベント「電撃文庫 秋の祭典2010」で限定販売。「偽」をテーマとし、原作とは異なる展開やIFストーリー、パロディなどが収録されました。

電撃ジャック!! (2011年)

2011年のイベント「電撃文庫 秋の祭典2011」で限定販売。「コスチュームジャック」をテーマに、もし電撃文庫キャラクターが普段と違う衣装を着たら？というシチュエーションを描いたイラストやショートストーリーが集められています。

パンチラバーズ しまぱんフレンズ / パンチラバーズ ひもぱんフレンズ (2012年)

いずれも2012年のイベントで限定販売されたイラスト集。「しましまパンツ」と「ひもパン」をそれぞれテーマに、イラストレーターが描き下ろしたイラストが多数収録されています。

電撃文庫20de20!! (2013年)

2013年のイベント「電撃文庫 秋の祭典2013」で限定販売。「20」をテーマにした20個のショートストーリーやお題に対して、作家やイラストレーターが作品を寄稿した記念的な一冊です。

電撃VS (2014年)

2014年のイベント「電撃文庫 秋の祭典2014」で限定販売。異なる電撃文庫作品のキャラクター同士が夢の対決や共演を果たすクロスオーバー企画、本編では実現しないレアな組み合わせなどをテーマにした小説やイラストが収録されました。

電撃がーるず 水着ふぇすてぃばる! (2015年)

2015年のイベント「電撃文庫 秋の祭典2015」で限定販売。電撃文庫に登場するヒロインたちの水着姿のイラストを中心に構成され、ショートストーリーも掲載されました。

電撃すぷらっしゅ！ (2016年)

2016年のイベント「電撃文庫 秋の祭典2016」で限定販売。「濡れた女の子」をテーマにしたイラストや、それに合わせた掌編小説が収録されています。

電撃まるはだかっ！ (2017年)

2017年のイベント「電撃文庫 秋の祭典2017」で限定販売。「裸」や「脱衣」をテーマにしたイラストが中心の、扇情的な内容となっています。

電撃あいらんど！ (2018年)

2018年の「電撃文庫25周年記念 秋の電撃祭」で限定販売。「南の島でのバケーション」をテーマに、開放的なリゾートシーンやパーティードレス姿を描いたイラストなどが主に掲載されました。

電撃あにまるっ！ (2019年)

2019年のインターネット生放送イベント開催を記念し、「電撃屋」で先行販売。「けもみみ」をテーマに、電撃文庫ヒロインたちにアニマル属性を追加したイラストを中心に構成されています。

これらの「海賊本」は、既存の電撃文庫ファンにとって、愛読するシリーズの新たなエピソードや、作家・イラストレーターの趣向を凝らしたイラスト企画などを楽しめる貴重な機会を提供しています。イベント限定販売が多いことから、その稀少性もコレクションの魅力の一つとなっています。

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