電話でドン!

『電話でドン!』および『生クイズ・夫婦でドン!』の概要

『電話でドン!』は、1982年10月16日から1983年9月まで朝日放送（ABCテレビ）で放送されたクイズ番組で、その後も1983年9月から1985年3月まで『生クイズ・夫婦でドン!』としてリニューアルされ放送されました。この番組は、視聴者参加型の新しいスタイルのクイズ番組として注目を集めました。

番組のこのスタイルの特徴

『電話でドン!』は土曜日の昼に生放送され、視聴者が参加できる双方向のアンケートシステム“サーチホン”を導入していました。このシステムでは、事前に選考された一般家庭に設置されたプッシュ式電話機を使用して、毎回設定された質問に対する投票を行うというものでした。視聴者は提示された選択肢から1つを選び、投票の結果をクイズ解答者たちが予想する形式が取られていました。この方式は、視聴者が積極的に番組に関与できるもので、当時としては革新的でした。

投票プロセスは簡単で、「朝日放送です。お答えをどうぞ」というメッセージの後にプッシュボタンを押すことで行います。こうした視聴者参加の仕組みは、番組の魅力を高め、視聴者の興味を引く要因となりました。

司会者の交代と進行

この番組の最初の司会者は、当時朝日放送のアナウンサーであった乾浩明と落語家の笑福亭鶴瓶でした。しかし、1983年7月に鶴瓶がスケジュールの都合で降板し、以降は乾が単独で司会を務めるようになりました。その際に番組タイトルも『乾浩明の電話でドン!』に変更されました。この時期、俳優やお笑いタレントなどが解答者として参加し、視聴者に笑いをもたらしました。

クイズの種類としては、近似値クイズや3択クイズなどがあり、視聴者や解答者は楽しみながら大いに盛り上がりました。

リニューアルと新しいスタイル

1983年9月に『生クイズ・夫婦でドン!』としてリニューアルされた際には、乾のアシスタントとして永井由起子が新たに加入しました。この新しい番組でも基本的な進行方式は前作と同じではありましたが、解答者は一般の夫婦4組に変わり、視聴者参加型の対抗戦形式となりました。この形式は、視聴者の共感を呼び、また新たな興味を持たせるものでした。

さらに、トップ賞を獲得したチームには、ハワイ旅行や国内旅行券、倍増の賞金、没収の可能性がある迷路風ゲーム「ウォーターシュート」といった多様な賞品が賭けられることから、番組の緊張感は一層高まりました。
また、広島ホームテレビでも『生クイズ・夫婦でドン!』の放送が一時期行われ、地元の視聴者にも親しまれました。自社制作番組との調整が必要になるなど、放送の枠組みも変わりながら、番組は多くの視聴者に愛されたのです。

『電話でドン!』と『生クイズ・夫婦でドン!』は、視聴者参加型のクイズ番組として多くの記憶に残っているユニークな番組であり、その双方向性は今なおクイズ番組のスタイルに影響を与えています。

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