電離放射線障害防止規則

電離放射線障害防止規則について

電離放射線障害防止規則（昭和47年労働省令第41号）は、労働安全衛生法に基づき、電離放射線による労働者の健康障害を防止するための具体的な基準を定めた厚生労働省令です。この規則は、放射線業務に従事する労働者の安全と健康を確保するために、事業者が遵守すべき事項を詳細に規定しています。

規則の構成

本規則は、以下の章で構成されています。

第1章 総則：規則の目的や用語の定義など、基本的な事項を定めています。
第2章 管理区域並びに線量の限度及び測定：放射線管理を行う区域の設定や、放射線量の上限、測定方法について規定しています。
第3章 外部放射線の防護：外部からの放射線に対する防護措置について定めています。
第4章 汚染の防止：放射性物質による汚染を防ぐための措置について定めています。
第4章の2 特別な作業の管理：特定の放射線作業における管理方法を定めています。
第5章 緊急措置：放射線事故発生時の緊急対応について定めています。
第6章 エツクス線作業主任者及びガンマ線透過写真撮影作業主任者：放射線作業主任者の選任や職務について定めています。
第6章の2 特別の教育：放射線業務従事者に対する特別な教育について定めています。
第7章 作業環境測定：作業環境における放射線量の測定について定めています。
第8章 健康診断：放射線業務従事者に対する健康診断について定めています。
第9章 雑則：その他の必要な事項について定めています。
附則：規則の施行期日などを定めています。

健康診断

電離放射線障害防止規則では、放射線業務に従事する労働者に対して、定期的な健康診断の実施を義務付けています。健康診断の項目は、業務内容や被ばく状況に応じて異なり、以下のようになっています。

放射線業務に常時従事する労働者

雇入れ時または配置転換時、およびその後6ヶ月以内ごとに1回、以下の項目について健康診断を実施する必要があります。

1. 被ばく歴の調査と評価：作業場所、内容、期間、放射線障害の有無、自覚症状などを詳細に調査し、評価を行います。
2. 血液検査：白血球数、白血球百分率、赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値を検査します。
3. 眼の検査：白内障に関する検査を行います。
4. 皮膚の検査：皮膚の異常の有無を検査します。

緊急作業に従事する放射線業務従事者

緊急作業への配置転換後1ヶ月以内ごと、および他の業務への配置転換時または離職時に、以下の項目について健康診断を実施する必要があります。

1. 自覚症状および他覚症状の検査：自覚症状の有無や、医師による他覚症状の検査を行います。
2. 血液検査：白血球数、白血球百分率、赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値を検査します。
3. 甲状腺検査：甲状腺刺激ホルモン、遊離トリヨードサイロニン、遊離サイロキシンを検査します。
4. 眼の検査：白内障に関する検査を行います。
5. 皮膚の検査：皮膚の異常の有無を検査します。

関連事項

* 放射線業務従事者：電離放射線障害防止規則において、放射線業務に従事する者を指します。この規則は、放射線業務従事者の安全と健康を保護するための様々な規定を設けています。

電離放射線障害防止規則は、放射線業務における安全管理の基礎となる重要な規則です。事業者は、この規則を遵守し、労働者の健康を守る必要があります。

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