霞が関埋蔵金

霞が関埋蔵金とは

霞が関埋蔵金（かすみがせきまいぞうきん）という言葉は、日本政府の特別会計に存在する剰余金や基金を指す俗称です。もともと、与謝野馨元経済財政政策担当大臣が名付けたこの用語は、中川秀直元自由民主党幹事長によって広まりました。この語が世に出たのは2007年11月で、特別会計の見直しにおいて15兆円が捻出できるとする民主党案が提起された際に、同案が「霞が関埋蔵金伝説のたぐい」と批判されたことがきっかけです。

本来、これらの資金は長期金利の変動によるリスクを緩和するために積み立てられた「金利変動準備金」として運用されています。しかし、時が経つにつれて、その存在は不透明になり、さまざまな政治的議論の対象となりました。

2008年度の予算に関しては、いわゆる「上げ潮派」と「財政再建派」の間で、霞が関埋蔵金の存在について意見が対立しました。しかし、元財務官僚の高橋洋一氏の分析により、その実態が明らかにされました。2009年度の予算編成では、景気の後退による税収の減少を受け、霞が関埋蔵金を利用することが前提となりました。

2011年度の予算（案）では事業仕分けの第2弾で、鉄道建設や運輸施設に関連した利益剰余金の1兆2000億円を返納し、その資金を老齢基礎年金の国庫負担維持に活用する方針が打ち出されました。しかし、その後、多額の埋蔵金が見つからず、枯渇するとの見解が広まりました。

特別会計積立金

特別会計における積立金は、財政投融資特別会計や財政融資資金特別会計から成り、かつては埋蔵金として注目された時期もありました。平成17年度末の残高は26.4兆円に達したものの、その後、国債整理基金特別会計に繰り入れられるなどの動きがありました。さらに、経済情勢の影響を受けて、平成20年度の補正予算や21年度初頭の予算でも、一般会計に繰り入れられることとなり、最終的には平成21年度末の残高は4兆8,549億円まで減少しました。特例法に基づく繰入れが続く中で、平成22年度末には残高がほぼ消失する見込みです。

外国為替資金特別会計

一方で、外国為替資金特別会計の積立金は高い外貨金利と低い円金利の影響で増加し、21年度末には20兆5,585億円に達しました。しかし、円高の進行によって実質的には評価損を抱えているため、積立金が枯渇状態にあるとの指摘も聞かれます。2022年10月に行われた政府による事業仕分け第3弾では、この積立金が一般会計へ振り分けられることは見送られ、特別会計が抱える負債の償還に充てられることになりました。

国立大学法人における埋蔵金

さらに、日本各地にある国立大学には、2007年度の調査結果によれば、約3千億円の埋蔵金が存在するとされました。これもまた、財政状況の分析に深く関わる事例となっています。

結論

霞が関埋蔵金は、その名前の下に多くの政治的葛藤や財政的戦略が織り成されてきました。国家の財政運営において、これらの資金が果たす役割は今後も注目され続けるでしょう。

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