霧に棲む悪魔

『霧に棲む悪魔』は、東海テレビと国際放映が共同制作し、2011年4月11日から7月1日までフジテレビ系列で放送された昼ドラマです。平日午後の時間帯に放送され、平均視聴率は4.4%を記録しました。このドラマは、19世紀に発表されたウィルキー・コリンズのミステリー小説『白衣の女』を原案としています。

あらすじ

物語の主人公は、亡くなった父親から莫大な財産を相続した龍村圭以。結婚を控えた彼女のもとに、精神病院から逃げ出した白い服の女から「婚約者は悪魔」という手紙が届きます。この手紙をきっかけに、圭以は一族の陰謀に巻き込まれていきます。ドラマは、謎が謎を呼ぶ展開と、主人公のロマンスが複雑に絡み合い、視聴者を惹きつけました。

主演の入山法子は、このドラマで初めて連続ドラマの主演を務め、一人二役という難しい役どころを演じきりました。キャッチコピーは「その霧の向こうで、何が起こったのか。」。この言葉が示すように、物語は深い霧の中に隠された真実を追い求めるミステリー要素が強く、先の読めない展開が魅力です。

制作側は「途中から見ても分かるように工夫を凝らし、タブーにも挑戦したい」と語っており、従来の昼ドラのイメージを覆すような新しい作品を目指していたことがわかります。制作現場では「新しい昼ドラを作ろう！」が合言葉となり、意欲的な作品作りが行われました。

主な登場人物

龍村圭以（たつむらけい） - 入山法子
龍村ファームのオーナーで、亡父から莫大な財産を相続した令嬢。婚約者の陽一との結婚を控える中、「婚約者は悪魔」という手紙を受け取る。その後、心不全で急死したとされていたが、実はそれは替え玉で、本物の圭以は記憶喪失の状態に陥っていた。
安原霧子（やすはらきりこ）【白い服の女】 - 入山法子（二役）
圭以と瓜二つの顔を持つ謎の女。圭以の結婚を阻止しようとしており、病院関係者に追われている。陽一を「悪魔」と警告し、「ゴシュハシンダ」という言葉を残して姿を消す。実は、圭以の身代わりとして埋葬されていた。
北川弓月（きたがわゆづき） - 姜暢雄
ダンサーとして挫折し、自殺を図ろうとしたところを白い服の女に魅せられる。その後、圭以と出会い恋に落ちる。圭以と霧子のどちらに惹かれているのか思い悩むが、最終的には圭以への愛を確信する。
日浦晴香（ひうらはるか） - 京野ことみ
圭以の異父姉。妹へのコンプレックスを抱えながらも、圭以を気にかけている。弓月に惹かれていたが、圭以のために身を引く。圭以の死に不審を抱き、弓月と協力して真相を追う。
御田園陽一（みたぞのよういち） - 戸次重幸
圭以の婚約者。若手の起業家で、過去に火災で両親を失っている。圭以と結婚し、龍村家の当主となるが、偽者ではないかという疑惑が浮上し姿を消す。その後、実は依子に引き取られ、暗躍していた。
龍村玄洋（たつむらげんよう） - 榎木孝明
圭以の伯父。奇行癖があり、財産や実権は弟（圭以の父）が相続している。龍村家の財産を狙い、陽一や弓月に敵意をむき出しにする。
蓮見依子（はすみよりこ） - 中田喜子
レストラン「ロータス」のオーナー。御田園に寄り添う社交界の華。龍村家の財産を狙っており、陽一を利用して圭以を陥れようとする。
影山仁（かげやまひとし） - 大沢樹生
陽一の顧問弁護士。依子の愛人でもあり、ポーカーフェイスを貫いているが、晴香に惹かれていく。依子から寝返り、最後は晴香を守るために重傷を負う。

その他登場人物

木島誠吾（龍村家顧問弁護士）、唐木田翔（木島の部下）、荻野克次（龍村ファームの使用人）、萩野美知子（克次の娘）、鹿野良夫（運送屋）、宮下時彦（龍村貴金属の社長）、宮下寿々子（宮下の妻）、対馬諭吉（道路工事作業員）、安原浅子（霧子の母親）、平木麻里（家政婦）、森田（精神科病院長）、乃中花恵（病院の患者）、秋山（ダンサー）など、多くの個性的なキャラクターが登場します。

スタッフ

企画：西本淳一（東海テレビ）、原案：「白衣の女」ウィルキー・コリンズ、脚本：金谷祐子、音楽：羽岡佳、広報：渡辺秀彦（東海テレビ）、山本章子（東海テレビ）、演出：松田礼人、木内健人、奥村正彦、プロデューサー：風岡大（東海テレビ）、河角直樹（国際放映）、制作：東海テレビ、国際放映

主題歌

倉木麻衣「もう一度」

外部リンク

霧に棲む悪魔｜フジテレビ
霧に棲む悪魔 - テレビドラマデータベース

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