霧のミラノ

ミュージカル・ロマン「霧のミラノ」

「霧のミラノ」は、宝塚歌劇団が誇るミュージカル・ロマンであり、作家柴田侑宏が手掛け、演出家中村暁が演出しました。この作品は、2005年の夏に行われた雪組公演で、朝海ひかるが主演を務め、大きな話題を集めました。全16場から構成されるこの舞台は、宝塚大劇場にて6月24日から8月1日まで、さらに東京宝塚劇場では8月19日から10月2日まで上演され、特に新人公演が7月12日と8月30日に行われました。

ストーリー概要

物語は、1850年代後半のイタリアが舞台です。主人公ロレンツォ・クローチェは、誇り高き貴族であり、彼の心には恋の相手フランチェスカ・マルティーニという魅力的な女性がいます。しかし、彼らの愛は簡単には成就しません。彼らの前には、オーストリアの将校が立ちはだかり、二人の絆を試されることになります。この作品は、当時の混乱した社会背景と個人の感情との葛藤が描かれており、耽美的な雰囲気の中でさまざまな人間模様が繰り広げられます。

作品の演出と音楽

演出は中村暁、音楽には西村耕次と鞍富真一が作曲・編曲を担当しました。加えて、照明や衣装、振付など、各分野の専門家たちが集結し、視覚的にも聴覚的にも豊かな表現を実現しました。編曲は小高根凡平が手掛け、音楽指揮は矢部豊が担当するなど、細部にわたる演出が施されています。

舞台装置は大橋泰弘、衣装は任田幾英が手がけ、照明は勝柴次朗によって演出されています。また、音響スタッフには加門清邦が名前を連ねるほど、舞台全体のクオリティが追求されていました。

キャスト

この作品には豪華なキャスト陣が揃っており、以下のような主要キャストが名を連ねました。

• - ロレンツォ・クローチェ: 朝海ひかる（新人公演キャスト：凰稀かなめ）
• - フランチェスカ・マルティーニ: 舞風りら（新人公演キャスト：晴華みどり）
• - カールハインツ・ベルガー: 貴城けい（新人公演キャスト：緒月遠麻）
• - ノーラ: 高ひづる（新人公演キャスト：神麗華）
• - ガブリオ: 悠なお輝（新人公演キャスト：宙輝れいか）

また、オーストリア将校を演じるキャストとして、飛鳥裕や汝鳥伶などが名を連ね、舞台に厚みを加えました。新たに登場する新人キャストたちも、役の引き立て役としてその存在感を発揮しました。

併演作「ワンダーランド」

この公演では、ショー『ワンダーランド』も併演されており、観客に多彩なエンターテイメントを提供しました。作・演出は石田昌也が担当し、異なるテーマを持ちながらも、豊かな演出が施されていました。

この「霧のミラノ」は、宝塚歌劇団の中でも特に評価が高く、多くのファンに愛される作品となり、今後もその魅力は色あせることがないでしょう。

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