露天掘り

露天掘りについて

露天掘り（ろてんぼり）は、地下の鉱石を採掘する手法の一つで、地表から地下へと渦を巻くように掘り進める作業方法です。この技術は非常に古くから存在し、もともとは地元の人々がダイヤモンドやエメラルドなどの宝石を採掘するために使用していました。しかし、第二次世界大戦後に大型機械の登場により、オーストラリアにおける鉄鉱石の大規模な開発が可能になりました。

採掘法

露天掘りの手法には主に「階段式」と「グローリーホール式」の二つが存在します。階段式は、鉱山の採掘を階段状に行う方法で、重機を活用しやすいため、金属鉱石から非金属鉱石まで広く用いられています。ただし、この方法は鉱床が地表に近く、大量埋蔵されていることが望まれるため、日本では石灰石や陶石、珪石などの非金属鉱床に限定されることが多いです。

一方、グローリーホール式では山腹に横坑を掘り、その下から縦坑を貫通させて周囲の鉱床を漏斗状に採掘します。掘り出された鉱石は、縦坑から横坑の集積施設に落下し、トロッコやトラックを使って搬出されます。この手法は、平地が少ない山岳地帯で特に効果を発揮し、日本の石灰石鉱山ではよく採用されています。

さらに、採掘に使用する重機で分類する場合もあります。例えば、ドラッグラインを使用する「Strip Mining」と、シャベルカーとダンプカーを使用する「Open Pit Mining」が挙げられます。

露天掘りの環境影響

露天掘りに関しては、広範囲な掘削が植物相を喪失させることが大きな環境問題として指摘されています。これに対処するため、一部の鉱山会社は採掘後に埋め戻しや植樹などの再生活動を行っています。

日本における露天掘りの実情

日本では、露天掘りが主に非金属鉱山で行われており、金属鉱山では金山や小坂鉱山、花岡鉱山、初期のイトムカ鉱山などで確認されます。非金属鉱床は地面に近く、規模が大きいため、コスト効率が良く大規模採掘が可能です。例えば、石灰石や陶石はすでに江戸時代からも採掘が行われていました。

金の採掘については、初期には川底での砂金形式で行われていましたが、戦国時代には風化した鉱石や酸化した鉱脈を採掘する手法が取られるようになりました。この過程で、堀状の竪穴ができることが多かったです。

大正時代には、石川県能登島での燐鉱床の開発が行われましたが、これは海底に存在していたもので、周囲に堰堤を築いて海水を干拓してからの採掘でした。採掘の後、堰堤は一部撤去され、再び海水が戻り、利用が進められました。

北海道では石炭の露天掘りも見られ、武甲山、金生山、伊吹[[山]]などが露天掘りで知られています。鹿児島県では赤石鉱山や春日鉱山などで、含金珪酸鉱の露天掘りが行われています。

また、筑豊炭田の貝島炭鉱は、1976年の閉山まで全体規模でおよそ80ヘクタールに及ぶ比較的大規模な露天掘りを行っていました。

このように、露天掘りは日本において重要な採掘手法の一つですが、環境との調和が求められる時代において、その影響を考慮した持続可能なアプローチが必要です。

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