青と白で水色

青と白で水色（あおとしろでみずいろ）

概要

『青と白で水色』は、2001年12月1日に日本テレビ系列で放送された単発テレビドラマです。放送時間は13時35分から14時30分まででした。本作は、若手脚本家の登竜門として知られる「日本テレビシナリオ登龍門」において、2001年度の大賞を受賞した櫻井剛による脚本が映像化されたものです。当時としては先進的であったHD24Pシステムで撮影されており、その独特の映像表現も話題となりました。放送から時を経て、2007年10月24日にはDVDが発売され、より多くの視聴者が鑑賞可能となりました。

あらすじ

物語は、高校2年生の内山楓（宮崎あおい）が、クラスメイトからの陰湿ないじめに苦しむ日常から始まります。特に、かつては親しい友人だった椎名かすみ（蒼井優）が、いじめの中心人物となっていることが楓の心を深く傷つけます。家庭環境も、楓にとって安らぎの場ではありません。母親である恵子（銀粉蝶）は、娘が学校で直面している問題に対して全く関心を示さず、楓は精神的に孤立していきます。

絶望的な状況に追い詰められた楓は、死を選ぶことを考え始めます。校舎の屋上からの飛び降りを試みようと、何度も屋上へ向かいますが、そこへ続く扉は常に固く閉ざされており、彼女の試みは阻まれます。同じクラスの岸田匠（小栗旬）に屋上の扉を開けてもらうよう頼みますが、匠は冷淡に鍵の開け方を伝えるだけで、それ以上の関わりを持とうとはしませんでした。頼るべき人もなく、孤独と絶望の中で日々を過ごす楓。

そんなある日、楓のクラスに新たな人物が現れます。大内瑞穂（小西真奈美）という若い女性講師が、臨時担任として赴任してくるのです。大内の登場は、閉塞した楓の日常にどのような変化をもたらすのでしょうか。物語は、苛烈ないじめ、親子の断絶、若者の孤独といった重いテーマを描きながらも、一筋の希望の光を見出そうとする主人公の姿を繊細に追っていきます。宮崎あおいと蒼井優という、当時既に注目を集めていた若手女優が、それぞれいじめられる側といじめる側という難しい役柄を演じきり、迫真の演技で視聴者に強い印象を残しました。

出演者

内山楓：宮崎あおい
椎名かすみ：蒼井優
岸田匠：小栗旬
加納茂：相島一之
大内瑞穂：小西真奈美
内山恵子：銀粉蝶
柳沢悟：松田悟志

スタッフ

脚本：櫻井剛
監修：吉野洋
チーフプロデューサー：増田一穂
プロデューサー：大野哲哉
撮影監督：柴主高秀
編集：石川浩通
演出：高橋直治

音楽

本作のエンディングでは、印象的な楽曲が使用されました。それは、森田童子の楽曲「たとえばぼくが死んだら」です。ドラマでは、この楽曲をeastern youthがカバーしたバージョンが使用されており、物語の余韻を深く、そして切なく彩的に彩りました。傷つき、追い詰められた主人公の心情と重なる歌詞が、視聴者の心に強く響きます。

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