青団

青団（チントゥアン）は、中華人民共和国の江南エリア、特に上海周辺で清明節の時期に食べられる伝統的な餅菓子の一種です。別名「青団子」とも呼ばれ、日本の草団子や草餅に似た存在として知られています。

特徴

伝統的な青団は、もち米とヨモギを主な材料とし、中には甘いあんこが詰められています。最大の特徴はその見た目で、きらきらと光沢のある鮮やかな緑色をしています。この美しい緑色は、ヨモギの葉から抽出された色素によるものです。形状は日本の大福に近く、丸くて可愛らしい形をしています。餡にはラードが加えられることがあり、独特の風味とコクを生み出しています。

地域性と多様な餡

青団には、大きく分けて甘いものとしょっぱいものの2種類があります。長江デルタ地域では、甘い青団が特に人気が高く、全体の売り上げの7割を占めるほどです。伝統的な甘い餡の他に、近年ではさまざまな新しい味が開発され、話題を集めています。

例えば、「塩漬け卵と肉松の餡」は、塩味と旨味が絶妙なバランスで組み合わされた人気フレーバーです。「鶏肉とベーコン餡」は、洋風の要素を取り入れた斬新な味わいが楽しめます。「塩漬け肉とタケノコ餡」は、食感のアクセントと塩味が食欲をそそります。さらに、「バターカシューナッツ餡」や「ドリアン餡」など、個性的な餡も登場し、青団の可能性を広げています。

清明節の風物詩

清明節は、先祖を供養する中国の伝統的な祭日です。この時期になると、多くの人々が青団を買い求め、家族や親戚と分かち合います。上海市の老舗店では、清明節前になると1日に10万個以上の青団を売り上げることもあるそうです。青団は、清明節には欠かせない風物詩となっています。

日本との比較

青団は、日本の草団子や草餅とよく比較されます。どちらもヨモギを使用し、緑色をしている点が共通していますが、青団はもち米を使用するため、よりモチモチとした食感が特徴です。また、餡にラードを加える点も、日本の草団子とは異なります。青団は、中国の食文化を代表する伝統的な餅菓子であり、その歴史と文化を今に伝えています。

まとめ

青団は、伝統的な味わいを守りながらも、新しい味に挑戦し続けることで、多くの人々に愛されています。清明節の時期には、ぜひ本場の青団を味わってみてください。

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