青坊主

青坊主（あおぼうず）

青坊主は、日本各地の伝承に登場する妖怪です。その姿は地域や時代によって異なり、一定のイメージはありません。

民間伝承の青坊主

伝承における青坊主は、大きな人影や坊主姿で現れることが多いようです。例えば、

和歌山県みなべ町：青くて大きい青坊主
福島県金山町：イタチが化けた青坊主
岐阜県・広島県：タヌキが化けた青坊主

など、様々な姿で語られています。静岡県榛原郡にも青坊主の話が残っていますが、詳細は不明です。

地域ごとの伝承

長野県：ある松の木を息を止めて7周すると出現し、「石踏むな、松折るな」と警告します。この松の木は、かつて淵に住んでいた大鯉が捕獲されそうになり暴れた際、村人が鎮めるために植えたとされています。
静岡県：春の夕暮れに、麦畑から現れて子供をさらうと伝えられています。そのため、春の夕暮れには子供を畑に出さないという風習があります。
岡山県：青い体色、または青い衣服を着た大坊主で、空き家などに出没します。
山口県：山の神が小坊主の姿で現れ、人間に相撲を挑みます。神であるため、油断して相撲に応じると投げ飛ばされ、命の危険に晒される可能性もあります。
香川県：女性に「首を吊らんか」と誘いかけます。断れば消え去りますが、無視すると無理やり気絶させられ、首吊り自殺に見せかけられてしまいます。

都市伝説の青坊主

昭和以降、学校の怪談として青坊主の都市伝説が各地で語られるようになりました。

山形県：山沿いの小学校のトイレで、便器から青い頭の坊主が顔を出し、こちらを睨みつけます。
福島県：昭和初期、小学校のトイレに青坊主が出現し、生徒たちが恐れてトイレに行けなくなったという話があります。

画図百鬼夜行の青坊主

鳥山石燕の『画図百鬼夜行』には、草庵のそばに立つ一つ目の法師として描かれています。しかし、解説文がないため、どのような妖怪なのかは不明です。石燕以前の絵画である佐脇嵩之の『百怪図巻』に描かれた「目一つ坊」が原案ではないかとする説があります。

「青」が未熟を意味することから、石燕は修行の足りない坊主を妖怪として描いたのではないかという解釈も存在します。

このように、青坊主は地域や時代によって様々な姿で伝えられてきた妖怪であり、その背景には人々の信仰や戒め、そして娯楽があったと考えられます。

関連項目

* 日本の妖怪一覧

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