青山博之

青山 博之（あおやま ひろゆき、1932年生まれ）は、日本の著名な建築構造学者であり、特に耐震設計や建築材料の研究における貢献で知られています。彼は日本地震工学会の初代会長を務め、この分野の発展に寄与しました。また、日本原子力発電株式会社や関西電力株式会社、独立行政法人日本原子力研究開発機構の耐震指針検討分科会の主査としても様々な耐震基準の策定に関与しています。

彼の学問的な基盤は東京大学にあり、同大学の名誉教授として多くの学生や研究者に影響を与えてきました。東京大学を退官後は、日本大学理工学部および総合科学研究所の教授として、引き続き後進の指導に努めています。さらに、彼は日本建築構造技術者協会の名誉会長としても活動し、業界全体の発展に貢献しています。公益財団法人樫の芽会の理事長を務め、青山耐震フォーラムの代表としても耐震技術の普及に尽力しています。

青山の著述活動も目覚ましく、彼の著書には『マトリックス法による構造解析』や『鉄筋コンクリート建物の終局強度型耐震設計法』、『構造実験と構造設計』などがあり、これらは建築学の分野で広く引用されています。また、デジタルアーカイブにある「1968年十勝沖地震の被害調査と研究　建築界に与えたせん断破壊の衝撃」という論文は、地震工学における重要な研究成果とされています。

青山は、1977年に日本建築学会賞論文賞を受賞し、2007年には鉄筋コンクリート構造の耐震性向上に関する研究および国際的な技術交流に貢献したことから、日本建築学会賞大賞を受賞しました。これらの受賞は彼の研究が建築界でどれほど高く評価されているかを示しています。

家族についても、青山博之の背景は非常に興味深いものです。彼の父、青山秀三郎は東京大学名誉教授であり、鉱山学者としての経歴を持つ人物です。父は東京帝国大学で工科教育を受けた後、欧米に留学し、工学博士号を取得しました。母の定子は男爵西村精一の娘で、学習院女学部を卒業後、家族を支えました。さらに、青山には多くの親戚があり、伯父の青山荘は福井県の農業経営者として成功を収め、義叔父たちも家族内で重要な役割を果たしています。

このように、青山博之の職業的な功績と家庭の背景は、彼の考え方や研究に大きな影響を与えていると言えるでしょう。彼が日本の建築構造学に及ぼした影響は計り知れず、今後の研究や技術の発展にも引き続き貢献していくことが期待されています。

もう一度検索