青山理

青山理（あおやま おさむ）は、1959年3月1日生まれの実業家で、株式会社青山商事の代表取締役社長を務めています。青山商事の創業者である青山五郎氏の長男として、広島県で生まれました。

1981年に日本大学商学部を卒業後、青山商事に入社。その後、1988年に取締役商品部長、1989年に取締役商品副本部長、1991年に常務取締役商品副本部長、1997年に専務取締役商品本部長、そして2001年には専務取締役スーツ事業本部長と、着実にキャリアを積み重ねました。2003年には専務取締役営業本部長に就任し、2005年からは代表取締役社長として、青山商事を率いています。

社長就任以降、紳士服市場が縮小する中で、青山氏は事業の多角化を積極的に進めました。2006年には青山キャピタルの取締役に、2007年にはカジュアルランドあおやまの代表取締役社長、青山物産の代表取締役にも就任。さらに、2008年には青五取締役、エム・ディー・エス取締役、栄商取締役、2010年にはイーグルリテイリング代表取締役社長、2011年にはglob取締役など、多岐にわたる関連会社の役職を兼任しました。

青山氏の経営手腕は、Tポイントの導入においても発揮されました。2003年にCCCがTポイントを開始した当初、加盟店開拓に苦戦していたところ、青山氏はTポイントを提案され、その可能性を見抜きました。青山氏は「1業種1社ルール」を理解した上で、2006年に加盟を決定。さらに、ポイント5倍キャンペーンという斬新なアイデアを提案し、2006年12月から3ヶ月間実施したところ、その効果は絶大でした。このキャンペーンは、CCCにとって大きな救いとなり、その後の「倍付け」キャンペーンの展開につながるきっかけとなりました。

市場の変化に対する青山氏の認識は非常に鋭く、2013年の日経MJのインタビューでは、「紳士服業界は最終的に2社しか残れないでしょう」と予測。また、2021年のインタビューでは、コロナ以前からスーツ市場が10年後に最大4割減少すると予想していたにもかかわらず、「スーツ市場は1年で10年分縮んでしまった」と、市場の急激な変化を語りました。

近年では、オーダースーツ事業の強化に力を入れています。2022年のインタビューでは、「オーダースーツは既製服より8割ほど客単価が高い。これからは安売りではなく単価増で勝負する」と述べ、10年後を目処にスーツ売上高に占める既製服とオーダーの割合を同じにする計画を明らかにしました。2023年秋には、「洋服の青山」全店でオーダースーツ「SHITATE（シタテ）」の導入を完了し、オーダースーツの売上比率を50%まで高めることを目標としています。

青山理氏は、既存のビジネスモデルにとらわれず、市場の変化を的確に捉え、常に革新的な戦略を打ち出すことで、紳士服業界に大きな影響を与え続けている人物と言えるでしょう。

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