青山音楽賞

青山音楽賞

青山音楽賞は、実業家である青山政次氏によって設立された公益財団法人青山音楽財団が主催する、権威ある音楽賞です。1991年に創設されて以来、有望な若手演奏家や、その活動が期待される団体を顕彰し、育成・支援することを目指しています。

選考方法

この賞のユニークな点は、その選考対象にあります。毎年1月から12月にかけて、京都市にある青山音楽記念館バロックザールで開催される数々の公演に出演した個人または団体が、その対象となります。選考委員会によって厳正な審査が行われ、特に優れた演奏や活動実績を示し、将来的なさらなる飛躍が期待される対象が選出されます。賞は個人または団体に対して授与されます。

各賞の詳細

青山音楽賞は、対象となる演奏家の年齢や、個人・団体の区分に応じて、主に以下の三つの部門が設けられています。

新人賞

将来を嘱望される若手演奏家を対象とした賞です。原則として、公演当日の年齢が26歳未満の個人（ただし、声楽部門の応募者に限り29歳未満）に贈られます。最大で2名までが選ばれます。受賞者には賞金100万円が贈られるほか、最大200万円の音楽研修費が支給されることが大きな特徴です。さらに、50万円を上限とする研修成果披露演奏会の開催費用も支援されます。この手厚い音楽研修費を活用し、多くの受賞者がウィーン国立音楽大学、ベルリン芸術大学、ミュンヘン音楽・演劇大学など、国内外の著名な音楽機関に留学するなど、積極的に研鑽を積んでいます。

青山賞

新人賞の対象年齢を超える、主に中堅以上の演奏家を対象とした賞です。公演当日の年齢が26歳以上の個人（ただし、声楽部門の応募者は29歳以上）で、円熟期を迎えつつあり、さらなる活躍が期待される個人に贈られます。こちらも最大で2名までが選ばれます。受賞者には賞金150万円が贈られるほか、50万円を上限とする受賞記念演奏会の開催費用が支援されます。

バロックザール賞

個人ではなく、演奏団体を対象とした賞です。今後の活動が特に期待される演奏団体に贈られます。最大で2組までが選ばれます。受賞団体には賞金200万円が贈られ、さらに50万円を上限とする受賞記念演奏会の開催費用が支援されます。ただし、年によっては団体への贈賞が行われない場合もあります。

歴史的経緯

青山音楽賞は、その歴史の中で賞の区分や名称に変更がありました。創設から2004年度（第14回）までは、新人賞と青山賞のような年齢による区別はなく、「青山音楽賞」として一括して贈賞されていました。また、2005年度（第15回）から2014年度（第24回）までの期間は、現在の青山賞に相当する部門が「音楽賞」という名称で贈賞されていました。こうした変遷を経て、現在の新人賞、青山賞、バロックザール賞という区分が確立されています。

青山音楽賞は、青山音楽記念館バロックザールを拠点とし、日本の音楽文化の振興と、次世代を担う才能の発掘・育成に貢献し続けています。

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