青春ブタ野郎シリーズ

青春ブタ野郎シリーズの概要

青春ブタ野郎シリーズは、作家鴨志田一によるライトノベル作品を原作とするメディアミックス作品です。イラストは溝口ケージが担当し、「青ブタ」の略称で親しまれています。2014年4月から2024年10月にかけて、KADOKAWAの電撃文庫より全15巻が刊行され、2024年4月時点で累計発行部数は300万部を突破する人気を誇ります。『このライトノベルがすごい！』文庫部門では、2020年版で5位にランクインするなど、高い評価を獲得しています。

ストーリーの軸：思春期症候群

物語の中心となるのは、現実離れした現象を引き起こす「思春期症候群」です。この超常現象に巻き込まれた主人公・梓川咲太と、彼を取り巻く少女たちの物語が、全15巻にわたって展開されます。各巻は基本的に、一人の少女とその心の問題に焦点を当てた構成となっています。シリーズを通して、「空気を読む」という概念が重要なキーワードとして繰り返し登場します。

シリーズは、咲太が高校生である第1巻から第9巻までを「高校生編」、大学生になった第10巻以降を「大学生編」と便宜的に分けることができます。ただし、各巻のタイトルには「第○巻」の表記はなく、公式サイトなどでは「第○弾」と表記されることが多いです。

各巻のあらすじ

第1巻『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』: 高校生である咲太は、先輩の桜島麻衣がバニーガール姿で図書館にいるのを目撃します。しかし、咲太以外には彼女が見えません。これは思春期症候群の一種であり、麻衣が女優業を休業し、学校で孤立していたことが原因だと判明します。咲太の努力によって、麻衣は元の姿を取り戻し、二人は交際を始めます。

第2巻『青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない』: 咲太は、後輩の古賀朋絵が同じ日を繰り返す思春期症候群に苦しんでいることを知ります。朋絵は、先輩からの告白を回避するためにこの現象を起こしていました。咲太は、嘘の恋人関係を演じることで、朋絵をこの状態から救い出します。

第3巻『青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない』: 咲太の友人である双葉理央が、自分自身の分身がもう一人現れるという思春期症候群を発症します。咲太は、理央の孤独感を解消することで、この問題を解決します。

第4巻『青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない』: 咲太は、桜島麻衣の異母妹である豊浜のどかと出会います。のどかと麻衣の姿が入れ替わるという現象が発生し、咲太は二人の仲を取り持ちながら問題解決に導きます。

第5巻『青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない』: 咲太の妹・梓川かえで（花楓）は、いじめが原因で解離性障害を発症し、記憶を失っています。咲太は、妹を救うため、そして失われた記憶を取り戻すために奮闘します。

第6巻～7巻『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』『青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない』: 咲太の初恋相手である牧之原翔子が、異なる時間軸から現れ、咲太の未来に関わる重大な出来事が明らかになります。咲太は、大切な人々を守るため、そして未来を変えるため、困難な選択を迫られます。

第8巻『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』: 妹・花楓は、高校進学を希望しますが、思春期症候群に苦しみます。咲太は、花楓の幸せを願い、彼女をサポートします。

第9巻『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』: 咲太は、自分自身を誰も認識できなくなるという現象に遭遇します。そして、麻衣に似た少女の導きにより、異なる世界を体験します。

第10巻以降（大学生編）: 咲太は大学生となり、新たな出会いと新たな思春期症候群の現象に直面します。スイートバレットのメンバーである広川卯月や、謎のネット歌手・霧島透子など、様々な人物が物語に絡んできます。

主要登場人物

主人公の梓川咲太をはじめ、桜島麻衣、牧之原翔子、双葉理央、古賀朋絵、豊浜のどか、広川卯月、赤城郁実など、個性豊かな少女たちが物語を彩ります。各キャラクターの背景や関係性も丁寧に描かれ、読者の共感を呼びます。

その他

このシリーズは、小説だけでなく、アニメ、映画、漫画、ドラマCDなど様々なメディアミックス展開が行われており、幅広い層に楽しまれています。それぞれのメディアにおいて、原作にはないオリジナル要素も加えられ、多角的な視点から物語を楽しむことができます。

もう一度検索