青春事情

「青春事情（せいしゅんじじょう）」は、東京都立駒場高校の演劇部出身者を中心に設立された日本の劇団である。総合演出を務める松本悠がその代表を務める。現在のメンバー構成は、代表の松本に加え、2名の俳優と2名の作家を擁する計5名体制となっている。

劇団の始まりは2000年。当時は一度限りの記念公演を行う目的で集まったが、2005年に改めて活動を本格的に開始した。その後、精力的に作品を発表していく。

特に記憶に残る活動としては、2009年にPete's Parkingとの共同製作により、劇作家・後藤ひろひと氏の作品『姫が愛したダニ小僧』を上演したことが挙げられる。また、劇団結成10周年を迎えた2010年には、映画監督の伊藤誠氏と手を組み、初の映画製作となる『女色 -めいろ-』を手掛けるなど、演劇の枠を超えた活動も展開した。

そして、2011年には「第2回せんがわ劇場演劇コンクール」に参加。FC東京を題材にした意欲作「You'll Never Walk Alone」を上演し、観客の投票によるオーディエンス賞と審査員によるグランプリを同時に受賞するという快挙を成し遂げ、その実力を広く知らしめた。翌2012年には、A-1グランプリで「青春ポチョムキンＺ」が準優勝を獲得している。

青春事情の大きな特徴は、その名の通り「青春」を主要なテーマとしている点にある。特に、「大人になりきれない大人たち」の葛藤や機微を丁寧に描き出すことを得意とする。作品は、単に笑いを誘うだけでなく、登場人物たちの内面の揺れや繊細な感情描写に深く切り込み、観る者を知らず知らずのうちに泣き笑いさせるような独自の作風で高い評価を得ている。

現在の劇団の制作スタイルはユニークであり、「全員で作・演出」という体制を取っている。これは、特定の脚本家や演出家に依存せず、メンバー全員がアイデアを出し合い、共に作品を創り上げていく姿勢を示している。

現在の主要メンバーである代表の松本悠、俳優の大野ユウジ、加賀美秀明、そして作家の高桑恭彦は、いずれも東京都立駒場高校演劇部の出身であり、そこでの先輩・後輩という関係性が劇団の強固な結束力の基盤となっている。また、メンバーのうち2名の作家が、時には俳優として舞台に立つこともあるという点も特筆される。過去には、俳優として本折智史や小門真也といったメンバーも所属していた時期がある。

これまでに上演された主な演劇公演は以下の通りである。

本公演:
第1回公演「もろびとこぞりて」
第2回公演「RAINBOW」
第3回公演「静かの海」
第4回公演「もろびとこぞりて」（再演）
第5回公演「free way」
第6回公演「晩秋事情」
第7回公演「闘え！マイティくん！！！」
第8回公演「ロボと暮らせば」
第9回公演「静かの海」（再演）
第10回公演「SINGLES」
第11回公演「パンザマスト」
第12回公演「NO GOAL -HOMELESS WORLDCUP-」

番外公演など:
青春事情 Presents「THE SHORT BLUES」
Mrs.fictions Presents「15minutes made vol.4」
Pete'sParking × 青春事情 Presents「姫が愛したダニ小僧」
「You'll Never Walk Alone」（2011年第2回せんがわ劇場演劇コンクール出場作品）
* 「青春ポチョムキンＺ」（A-1グランプリ出場作品）

映像作品としては、前述の映画「女色 -めいろ-」が挙げられる。

外部のアーティストや団体との関わりも深く、劇作家の後藤ひろひと氏、映画監督の伊藤誠氏との共同製作のほか、俳優の貫井りらん氏や真寿美氏などが多くの公演に客演として参加している。

劇団の活動状況や詳細については、公式ウェブサイトやブログで知ることができる。

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