青木まゆみ

青木 まゆみ

青木まゆみ（あおき まゆみ）、本名は西口まゆみ。1953年5月1日生まれで、日本の著名な元競泳選手として知られています。彼女は特に1972年のミュンヘンオリンピックにおいて、100mバタフライの種目で金メダルを獲得したことで、その名を世界に知らしめました。熊本県山鹿市の出身で、高校を卒業後は競技に専念した青木は、後に高等学校の教員として新たな道を歩むことになります。

競技生活の始まり

青木の泳ぎ始めは小学6年生の頃。彼女はそれまで泳ぐことができなかったが、父親からの「中学生にもなるのに泳げないのは恥ずかしい」という言葉に刺激され、自宅の近くの川で練習を重ね、25mを泳げるようになりました。この経験が彼女の水泳キャリアの出発点となりました。

青木は中学3年生の時、大阪に水泳留学し、山田スイミングクラブで本格的な訓練を開始します。その後、ミュンヘンオリンピックが開催される1972年には、高校を卒業し、就職や進学をせずに水泳のトレーニングに集中しました。その努力が実を結び、日本選手権で1分3秒9という世界新記録を樹立。金メダル候補として期待を受けることになります。

オリンピックでの栄光

1972年9月に行われたミュンヘンオリンピック本番において、青木は再び自らの記録を更新し、1分3秒3で金メダルを獲得しました。日本女子選手による金メダル獲得は、1936年のベルリンオリンピックでの前畑秀子以来の快挙であり、その後は1992年の岩崎恭子まで待たねばなりません。オリンピックでの優勝は青木にとって非常に嬉しい出来事でしたが、彼女自身は当時の風潮を反映し、喜びを表現することは避けていたと述べています。

青木は当時の競技環境を振り返り、「金メダルを取ったからといって、一生が変わったわけではない。青春の1ページだった」と語っています。しかし、彼女はオリンピック前のミーティングではライバル選手に対して強気な態度を見せており、その闘争心が彼女の強さの一部として印象に残ります。

引退後の道

1973年に天理大学に進学すると、新たな挑戦が待っていました。同年、ベオグラードで開催された第1回世界水泳選手権では、100mバタフライで銅メダルを獲得し、国際舞台での活躍を継続します。大学卒業後、青木は公立高校の教員となり、西宮市立西宮高等学校で体育科の教諭を務めました。後に西宮市立西宮東高等学校に移り、生徒たちに水泳の技術などを指導し続けました。

引退後、青木は公の場に姿を現すことは少なく、教え子たちの中には彼女が金メダリストであることを知らない生徒もいたと言います。2019年には教員を退職し、教育者としてのキャリアを閉じました。青木まゆみの競技人生とその後の教員生活は、彼女の強い意志と献身を示すものであり、多くの人々に影響を与え続けています。

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