青木保 (文化人類学者)

青木 保（あおき たもつ）

青木保は、日本の著名な文化人類学者であり、文化庁長官としても知られています。彼は1938年10月30日に東京府で生まれました。大学の学びを経て、青木氏は文化人類学の領域で業績を上げ、多くの大学で教鞭を取るなど、学問に貢献してきました。

学歴とキャリア

青木氏は1962年に上智大学の文学部で独逸語を専攻し、その後、東京大学に進学しました。1964年に東京大学教養学部を卒業し、1967年には文化人類学専攻の修士課程を修了しました。研究所としての東京大学東洋文化研究所で助手を務めた後、立教大学で助教授を経験しました。その後、大阪大学に移り、人間科学部の教授として教授職を全うしました。

1994年には大阪大学に学位論文を提出し、「博士（人間科学）」の学位を取得しました。1996年に東京大学先端科学技術研究センターの教授に就任し、1999年からは政策研究大学院大学の教授として活動を続けました。特に2007年から2009年までの間、文化庁の18代目長官を務めたことが彼の経歴において重要なポイントです。この役職は、民間出身者としては4人目となるものでした。

また、青木氏はさまざまな大学の特任教授や委員会の委員を歴任するなど、幅広い活動を展開しました。2012年から2019年には国立新美術館の館長も務め、文化の発展に寄与し続けています。

研究内容と業績

青木保の専門は文化人類学であり、特に東南アジアの宗教や異文化の探求に尽力しています。彼は、現地での実地調査を重視し、タイの僧院での修行体験をまとめた著書『タイの僧院にて』（1976年）なども発表しています。

彼の研究の特徴は、文化の象徴性や儀礼の重要性に注目し、学際的な視点から多くの論文や著書を執筆している点です。海外の著名大学での客員教授の職務や、様々な編著にも携わり、文化人類学の発展に寄与しました。彼の著書や編著には、日本放送出版協会からの『聖地スリランカ 生きた仏教の儀礼と実践』（1985年）や、海竜社からの『ホテルからアジアが見える』（2001年）などがあり、学術界での評価が高いです。

著書と翻訳業

青木氏は多くの単著、編著、共編著を制作し、文化人類学の多様なテーマについて探求を続けています。彼の訳書には、エリック・J・ホブズボームの『反抗の原初形態 千年王国主義と社会運動』（1971年）や、マーシャル・D・サーリンズの『部族民』（1972年）などがあります。また、エドマンド・リーチの著書を共同で翻訳した経験もあり、国際的な文化交流にも貢献しています。

文化庁長官としての影響

文化庁長官としての青木保氏は、日本の文化政策において重要な役割を果たしました。彼の在任中、さまざまな文化活動の振興や整備を推進し、日本の文化の多様性と国際性を高めるために尽力しました。

青木保氏の業績は、日本の文化人類学の発展と同時に、文化政策の新たな道を切り拓くものとして評価されています。今後も彼の研究と活動がさらなる影響を与えることでしょう。

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