青木楠男

青木楠男（あおき くすお）

青木楠男は、1893年（明治26年）7月23日に高知県で生まれ、1987年（昭和62年）3月18日に生涯を閉じました。大正から昭和にかけて、土木工学者、そして内務官僚として活躍しました。

学歴と官僚としてのキャリア

1918年（大正7年）に東京帝国大学工科大学土木工学科を卒業後、内務省土木局に入省しました。1926年（大正15年）には内務省土木試験所に異動し、1942年（昭和17年）には同試験所の所長に就任しました。この間、欧米への出張も経験し、1930年（昭和5年）からは東京帝国大学で講師も兼任しました。これらの経験は、彼の土木工学の研究に大きな影響を与えたと考えられます。

教育者としての活動

1946年（昭和21年）に官職を辞した後、青木は教育者としての道を歩み始めます。創設間もない早稲田大学理工学部土木工学科の教授に就任し、1954年（昭和29年）には理工学部長、1956年（昭和31年）には大学院工学研究科委員長を歴任しました。1964年（昭和39年）に早稲田大学を退職した後も、東京工業大学で講師を務め、1965年（昭和40年）には国士舘大学教授、そして早稲田大学名誉教授に就任しました。

学会活動と要職

青木は教育活動だけでなく、学会活動にも積極的に参加しました。1954年（昭和29年）には土木学会第42代会長を務めました。また、1966年（昭和41年）には日本学士院会員となり、文化財保護委員会委員、溶接学会、日本道路協会名誉会員、溶接学会会長、本州四国連絡橋技術調査会委員長など、数々の要職を歴任しました。これらの活動を通じて、日本の土木工学の発展に大きく貢献しました。

研究分野

青木は、特に鋼鉄製橋梁の研究で知られており、中でも溶接鋼橋の開発において先駆的な役割を果たしました。当時、溶接技術はまだ発展途上でしたが、青木はその可能性に着目し、研究を重ねました。また、土木材料の研究や材料試験法の規格化にも尽力し、日本の土木工学の基礎を築きました。

受賞・栄典

青木の長年の功績を称え、1960年（昭和35年）には藍綬褒章が授与されました。彼の業績は、日本の土木工学史において重要な位置を占めています。

青木楠男は、土木工学の研究、教育、そして学会活動を通じて、日本の社会基盤の発展に大きく貢献しました。彼の功績は、後世に語り継がれるべきものです。

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