青森県立三沢高等学校

青森県立三沢高等学校

青森県立三沢高等学校は、青森県三沢市松園町に所在する県立の高等学校です。地元では「三高（みたか）」の愛称で親しまれており、地域の教育拠点としての役割を担っています。

沿革と歩み

本校の歴史は、昭和27年（1952年）6月1日、青森県立三本木高等学校の定時制課程の分校として、当時の大三沢町に設置されたことに始まります。この時点では町立の運営でした。昭和29年（1954年）1月22日には独立が認可され、同年4月1日には青森県立三本木高等学校から正式に分離独立し、「青森県大三沢高等学校」となりました。この独立に伴い、通常の課程（後の全日制）と定時制課程が置かれました。昭和32年（1957年）3月23日には青森県へ移管され、県立学校となり「青森県立大三沢高等学校」と改称。さらに昭和43年（1968年）4月1日、現在の校名である「青森県立三沢高等学校」へと名称が変更されました。教育体制の拡充としては、昭和45年（1970年）4月1日に全日制課程に衛生看護科が、平成5年（1993年）4月1日には英語科が新設されています。時代の変遷と共に学科構成も見直され、衛生看護科は平成14年（2002年）に募集を停止し、平成16年（2004年）3月31日に廃止されました。英語科も令和2年度（2020年度）をもって廃止となり、現在は全日制・定時制ともに普通科のみが設置されています。平成26年（2014年）には創立60周年の記念式典が挙行されるなど、長い歴史を刻んでいます。

教育課程

現在、本校には以下の二つの課程が設けられています。

全日制課程: 普通科
定時制課程: 普通科

両課程とも普通科が設置されており、生徒たちはそれぞれのライフスタイルや目標に合わせた学びの機会を得ています。

学校の精神と象徴

本校の校訓は「誠実・自主・敬愛」です。この校訓は、生徒たちが人間性を磨き、自立心を養い、他者への敬意を持つことの大切さを示しています。校章は、三つの桜の花を背景に、「高」の文字を中央に配したデザインです。これは、開校以来の伝統と、地域社会に根差した学び舎であることを象徴しています。校歌は、初代教頭である田村文雄氏が作詞、呉秦次郎氏が作曲を手がけました。三番から成り、歌詞の中に学校名は登場しないという特徴を持っています。

部活動と学校生活

青森県立三沢高等学校では、学業と共に部活動も活発に行われています。特に運動部では、硬式野球部が輝かしい歴史を持っています。昭和43年（1968年）の夏の甲子園に初出場を果たし、翌昭和44年（1969年）には春のセンバツにも出場しました。そして、同年の夏の甲子園大会では、決勝で強豪・松山商業高校と対戦し、延長18回引き分けという伝説的な試合を演じました（再試合の末に敗れ準優勝）。雪国である東北地方のチームにとって、当時の練習環境を考えればこの成績はまさに快挙でした。

硬式野球部のほかにも、運動部としてはサッカー部（男女）、ホッケー部（男女）、バスケットボール部、バレーボール部、ソフトボール部、硬式テニス部、ソフトテニス部、バドミントン部、卓球部、陸上競技部、剣道部、弓道部などが精力的に活動しています。

文化部も充実しており、自然科学部、吹奏楽部、放送部、書道部、美術部、イラストレタリング部といった部活動に加え、英語同好会、茶道同好会などの同好会があり、生徒の多様な興味や才能を伸ばす機会を提供しています。また、生徒会執行部や応援委員会といった組織も、学校行事や生徒たちの自主的な活動を支えています。

著名な出身者

本校はこれまで多くの卒業生を輩出し、各界で活躍する人々を送り出しています。著名な出身者としては、プロ野球選手として活躍した太田幸司氏、八重沢憲一氏、柿崎幸男氏、俳優の和興氏、ゲームクリエイターの小林孝志氏、プロレスラーの起田高志氏、そしてダンサーとして知られるELLY氏（三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE）などがいます。彼らの活躍は、後輩たちに大きな刺激と目標を与えています。

地域に根ざした学び舎として、青森県立三沢高等学校はこれからも生徒たちの成長を支え、社会に貢献できる人材の育成を目指していきます。

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