青江派

青江派について

青江派（あおえは）は、岡山県倉敷市の備中国青江に起源を持つ日本刀刀工の一派であり、平安時代末期に始まり、鎌倉時代から南北朝時代にかけて繁栄しましたが、室町時代には衰退しました。

概要

備中鍛冶として知られるこの流派は、古文書『元亀目利書』によると、安次（やすつぐ）を祖とする青江鍛冶と、則高（のりたか）を祖とする妹尾（せのお）鍛冶の2つに分かれます。青江は高梁川の下流に位置する地域で、現存する刀の銘から、子位荘（こいのしょう）や万寿荘（まんじゅのしょう）の地名が確認されています。特に「備中国子位東庄青江助次作」という銘を持つ太刀が存在し、青江鍛冶の所在地が子位荘であったことがわかります。

さらに、青江鍛冶は古青江（こあおえ）、中青江（ちゅうあおえ）、末青江（すえあおえ）の3つに分類されます。古青江は鎌倉中期まで作品を残し、中青江はその後の時代を含み、末青江は南北朝時代に特有の作品を製作しました。

古青江・中青江・末青江

古青江

古青江の刀工は独自の作風を持ち、太刀姿は特徴的に反りが深く、地鉄は備前物に比べて美しい肌感を持ちます。さらに、刀文や銘の位置においても独特な特徴があり、「次」という字を用いた刀工名が一般的でした。古青江の代表的な刀工には守次、貞次、康次などが含まれ、それぞれが独特の特徴を持つ作品を作り出しました。

中青江

中青江の刀工は、古青江のスタイルを引き継ぎながら、年号入りの銘が見られる点が大きな特徴です。この頃から、刀文に丁子を交えたものが目立つようになり、作風も進化を遂げました。代表的な刀工には助次や吉次などがいます。

末青江

末青江は南北朝時代にあたる、この時代の青江鍛冶は大刀の製造が進み、特徴的な形状が考案されました。大刀は幅広く、切先が伸びているのが特徴で、その技術は高く評価されました。

著名な刀工と作品

青江派には数々の名刀が存在し、国宝や重要文化財に指定されたものも多くあります。例えば、名刀「狐ヶ崎（銘為次）」や「貞次」などはその代表格であり、歴史的にも価値があります。また、青江派の作風は後の刀工にも多大な影響を与えました。

結論

青江派は、日本刀の歴史において重要な役割を果たし、その優れた技術と美しさから多くの刀工が輩出されました。過去の刀工たちの作品は、今なお日本文化の一部として評価され続けています。

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