青潮

青潮（あおしお）とは

青潮とは、海中の硫黄がコロイド化し、海水が白濁する現象です。海面が薄い青色に見えるため、赤潮と対比して名付けられましたが、実際には青色ではありません。

発生メカニズム

青潮は、主に以下のメカニズムで発生します。

1. 富栄養化: プランクトンが大量に発生し、死滅して海底に沈殿します。
2. 貧酸素水塊の形成: プランクトンの分解過程で酸素が大量に消費され、溶存酸素の少ない貧酸素水塊が形成されます。
3. 硫化水素の発生: 貧酸素水塊中で嫌気性細菌が硫化水素を生成します。
4. 硫黄コロイドの生成: 硫化水素が湧昇し、海水中の酸素と反応して硫黄または硫黄酸化物の微粒子が生成されます。
5. 海水の白濁: 硫黄の微粒子がコロイドとして海水中に漂い、太陽光を反射して海水を乳青色や乳白色に変色させます。

多くの場合、青潮は硫化水素による腐卵臭を伴います。

貧酸素水塊が上昇する原因としては、強風による離岸流を補うように底層水が上昇する対流が考えられています。

発生しやすい場所と時期

青潮は、内湾で発生しやすい傾向があります。東京湾など、浚渫工事でできた海底の窪地に貧酸素水塊が溜まりやすいことも要因の一つです。夏から秋にかけて東京湾で多く発生し、特に北風や北東の風が吹く時期に発生しやすいことが知られています。

影響

青潮は、赤潮と同様に魚介類の大量死を引き起こすことがあります。2002年には三河湾で発生した青潮により、アサリが大量死しました。

対策

青潮の対策としては、貧酸素環境を生じやすい海底の窪地を埋め立てることが有効とされています。三河湾では、海底の窪地を人工的に埋め立てる工事が行われています。また、マイクロバブルによって酸素を供給する試みも行われています。

参考文献

赤潮、青潮について - 千葉県環境研究センター
特集（三河湾に生き物を呼び戻すために“貧酸素水塊”の発生を防ぐ）-エムワン49号：国土交通省　中部地方整備局　三河港湾事務所

関連項目

赤潮
青粉
浚渫
覆砂
マイクロバブル
黒潮

もう一度検索