青空ふろっぴぃ

『青空ふろっぴぃ』は、1985年から1986年にかけて「週刊少年サンデー」で連載された、細野不二彦によるサッカー漫画です。小学館の少年サンデーコミックスから全6巻の単行本が刊行されています。

物語は、新宿駅のコインロッカーに捨てられていたという異色の過去を持つ少年を主人公に展開されます。当初は、新宿駅西口を舞台に、主人公を取り巻く人間模様を描くヒューマンドラマとしての側面が強く打ち出されていました。しかし、物語が進むにつれて、主人公がサッカー少年チームに加わることとなり、徐々にサッカー漫画としての色合いを濃くしていきます。

主な登場人物

空野トキオ（そらの ときお）

本作の主人公。歌舞伎西中学に通う1年生。生まれたときから新宿駅のコインロッカーに捨てられていたという過去を持ちます。その後、浮浪者に発見され、12年間を施設や里親に預けられることなく、新宿の浮浪者たちによって育てられました。明るく活発な性格ですが、幼い頃のトラウマが原因で極度の閉所恐怖症を抱えています。特徴的なのは、生まれつき頭に髷（まげ）があることで、この髷を掴まれると我を忘れて暴れてしまいます。幼い頃からサッカーボールを蹴って遊んでいたため、丸いものを見ると条件反射的に反応するという習性も持っています。その天性の才能は、多くの人を驚かせることになります。
高野みやこ（たかの みやこ）

トキオの同級生で、東新宿キッカーズのエースストライカー。卓越したサッカーセンスを持ち、チームを勝利に導く原動力となっています。トキオの秘めたるサッカーの才能を見抜き、自身が所属するクラブハウスに積極的に勧誘します。彼女の熱心な誘いが、トキオの運命を大きく変えることになります。
* 五代鉄雄（ごだい てつお）

西都財閥の御曹司。武蔵ヶ丘学院中等部のサッカー部キャプテンを務めています。恵まれた体格と才能を持ち合わせ、チームを牽引する存在です。トキオとは、サッカーを通してライバルとして意識し合う関係となります。

『青空ふろっぴぃ』は、単なるサッカー漫画としてだけでなく、主人公トキオの成長や、彼を取り巻く人々の温かさを描いた作品です。笑いあり、感動ありのストーリーは、多くの読者の心を掴みました。新宿という街を舞台にした、異色のサッカー漫画として、今もなお語り継がれています。

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