静勝寺

静勝寺の歴史

静勝寺は、東京都北区赤羽西に位置する曹洞宗の寺院です。この地はかつて稲付城という城があった場所とされており、その歴史は戦国時代にまで遡ります。一説には、太田道灌が築城したとも言われていますが、扇谷上杉氏との関連も指摘されています。道灌の孫である太田資高とその子康資の二代にわたり、この地に館が築かれましたが、その後、稲付城は後北条氏の支配下となり、後北条氏の滅亡後は徳川家康の命によって廃城となりました。

寺の歴史は、太田道灌の死後、その師である雲綱和尚が1504年に道灌を弔うために城の一角に道灌寺を建立したことに始まります。その後、明暦元年（1655年）に道灌の子孫である太田資宗が堂を整備し、寺号を自得山静勝寺と改めました。江戸時代を通じて、静勝寺は太田氏の菩提寺として、道灌堂や旧本堂（現在の弁天堂）などが建立され、太田氏との深い関わりを持っていました。

関東大震災後の1928年には現在の本堂が完成し、2007年には観音堂が建立されました。稲付城跡を含む寺院一帯は、東京都の史跡として指定されています。

主な施設

本堂
弁天堂：旧本堂で、現在は弁財天を祀っています。
道灌堂：太田道灌像を祀るお堂で、毎月26日に開帳されます。道灌像は北区指定有形文化財に指定されています。
山門
庫裏・雄峰閣：客殿として使用されています。
中庭
観音堂：2007年に建立された新しいお堂です。

アクセス

JR赤羽駅西口から徒歩3分と、非常にアクセスしやすい場所にあります。
拝観は無料で、日中の時間帯に受け付けています。
駐車場も少数ですが用意されています。

亀ヶ池弁財天

静勝寺の近くには、亀ヶ池弁財天という弁天堂もあります。この弁天堂は、1980年に地元商店街の要望により、静勝寺の弁天堂から弁財天を勧請したものです。例大祭は毎年4月の第一日曜日に執り行われます。弁天堂の名前は、明治時代以前に赤羽駅西口付近に存在した亀ヶ池に由来しています。

その他の情報

静勝寺は、歴史的な価値を持つ寺院であるとともに、地域の人々に親しまれる場所でもあります。かつての稲付城の面影を残しつつ、現代の街並みに溶け込むように存在しています。また、東京大学教授で鶴見大学総長も務めた高崎直道氏が、1985年から2013年に亡くなるまでこの寺の住職を務めていました。

静勝寺の公式ホームページは、現在はアーカイブとして残されており、寺の歴史や文化に触れることができます。また、北区教育委員会が発行した文化財案内や、新編武蔵風土記稿などの文献も、寺の歴史を深く知るための資料として役立ちます。

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