静岡県庁舎

静岡県庁舎の概要

静岡県庁舎は、静岡市葵区追手町に位置する静岡県の行政機関が入居する重要な建物です。県庁は地域の行政府として多くの業務を担い、その役割を果たすために複数の建物が利用されています。

構成と歴史

県庁舎は、本館、東館、西館、そして別館の4つの主要な建物で構成されています。本館は1937年に完成した登録有形文化財であり、地上5階建てで3階には議場が設けられています。この建物はコンクリート造りの構造に瓦屋根を載せた帝冠様式のデザインが特徴で、上空から見ると日の形をしているのが印象的です。

東館は1970年に完成し、16階建てで文化・観光部などが入居しています。多くの県民が利用できる施設として、最上階には食堂や喫茶店があり、他のフロアには県民サービスセンターなどもあります。その中で特筆すべきは、障害を持つ方が運営に関わる喫茶ぴあ〜で、地域貢献に寄与していることです。

西館は教育委員会などの機関が入居するための建物で、地上10階と地下1階の構造を持ち、4階にはコンビニエンスストアも入っています。これにより、県民や職員の利便性が高まっています。

別館は、地上21階・地下2階の規模を持ち、災害対応機能に特化して設計されています。地震に対する強い耐震性能を備えており、特に東海地震に対応できるように、高強度鋼を使用した鉄骨構造が採用されています。地中に打設された連続壁が建物の転倒を防止し、ライフラインにはフェイルセーフ機構が整備され、災害時の影響を最小限にとどめる工夫がされています。

災害対応の拠点

別館は、非常時の情報集約や意思決定を行うための拠点としても活用されており、政府や自衛隊、警察、消防、県内市町と連携して災害対応を行います。さらに、屋上には各種機関の通信アンテナが設置され、最上階では一般向けの展望フロアも開放されて多くの訪問者が県庁の全景を楽しむことができます。ただし、警察本部が併設されているため、セキュリティには厳重な措置がとられています。

歴史的な変遷

静岡県庁の起源は、1871年にさかのぼります。当初、旧城代屋敷を使用し、その後何度かの移転を経て1889年に現在の県庁本館の位置に移転しました。1922年の建て替えを経て1937年に現在の建物が完成し、以降さまざまな機能が加わりました。1946年には昭和天皇が行幸された場所ともなり、県庁は歴史的な背景を持つ重要な施設です。

このように、静岡県庁舎はその歴史的な価値や多様な機能を通じて、地域社会に大きく貢献しています。行政機関としての役割を果たすだけでなく、災害対応の中心的な機能も有しており、静岡県民にとって欠かせない存在となっています。

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