静岡県立天竜高等学校

静岡県立天竜高等学校

静岡県浜松市天竜区に所在する県立高等学校です。地域の教育体制を見直すため、複数校の統合・再編を経て設立されました。浜松市天竜区二俣町に位置する本校舎と、同区春野町にある分校舎で構成されています。

設立の背景と経緯

2005年3月、静岡県教育委員会は将来を見据えた県立高等学校の再編計画である『静岡県立高等学校第二次長期計画 ― 平成27年度を見通して ―』を策定しました。この計画において、当時の静岡県立二俣高等学校と静岡県立天竜林業高等学校は、少子化の進展に伴う生徒数の減少が見込まれ、規模が縮小することが予想されていました。これに対応するため、両校を統合・発展させ、普通科と多様な専門学科を併せ持つ新しい高等学校として再編整備する必要性が提唱されました。同時に、同地域にあった静岡県立春野高等学校についても、新設される高等学校の分校舎として位置づける方針が示されました。

この再編計画は、2013年2月から3月にかけて開かれた静岡県議会定例会において、関連する条例案が承認され成立しました。これを受けて、同年3月28日に条例が公布され、2014年4月1日に施行。旧天竜林業高等学校の校地を継承する形で、静岡県立天竜高等学校が正式に開校しました。この設立により、地域における高校教育の新たな体制が確立されました。

沿革

2014年4月1日の開校時、二俣校舎には学年制課程として普通科、環境システム科、建築デザイン科、森林科学科、環境科、森林科が設けられました。加えて、生徒の進路選択の幅を広げる単位制課程として総合学科も設置されました。一方、春野校舎には地域からの要望に応える形で学年制課程の普通科が置かれました。

開校から1年後の2015年3月には、最初の卒業生を送り出す第1回卒業証書授与式が実施されました。これは、天竜高校開校前に統合元の各高校で修得した単位が、天竜高校での正規の単位として認められたことによるものです。

その後、教育課程のさらなる充実を図るため、学科の改編が行われました。2021年4月からは、二俣校舎の学年制課程において、従来の環境科および森林科の募集が停止され、新たに「森林・環境科」が第1学年に設置されました。これにより、第2学年以降は引き続き環境科、森林科の生徒が在籍していますが、新入生は森林・環境科で学ぶ体制となりました。開校当初二俣校舎に置かれていた普通科、環境システム科、建築デザイン科、森林科学科は、2014年度の入学者をもって募集を停止しています。

教育内容と設置学科

天竜高等学校は、二俣校舎と春野校舎それぞれに特色ある学科を設置し、生徒一人ひとりの個性や興味・関心、将来の目標に応じた学びを提供しています。

二俣校舎の学年制課程では、主に森林・環境科（1年生）、環境科（2・3年生）、森林科（2・3年生）が置かれ、地域の豊かな自然や林業、環境保全などに関する専門知識と技術を修得できます。

二俣校舎の単位制課程である総合学科は、
人文自然
総合ビジネス
建築
福祉
* 未来創造
という5つの幅広い系列を展開しています。生徒は自分の関心や将来の進路に合わせて、これらの系列の中から自由に科目を選択し、自分だけの時間割を作成できます。

春野校舎では、学年制の普通科が設置されています。ここでは、標準的な普通教育に加え、地域の特性を活かした特色ある教育活動が行われており、基礎学力とともに地域理解を深めることができます。

校歌

本校の校歌は「天に竜あり 地に竜在り」と題されています。この校歌は、作詞を田中章義氏、作曲をサンプラザ中野くん氏が担当されました。学校のシンボルとしての校歌は、生徒たちの誇りや連帯感を育むものとなっています。

アクセス

天竜高校の各校舎へのアクセスは、公共交通機関が利用可能です。二俣校舎へは、遠鉄バスの秋葉線、鹿島線、磐田天竜線を利用し、「車道」バス停で下車、徒歩約5分です。春野校舎へは、遠鉄バスまたは秋葉バスサービスの秋葉線を利用し、「天竜高校春野校舎」バス停で下車、徒歩約5～6分となっています。

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