非核の政府

非核の政府について

非核の政府（ひかくのせいふ）とは、1980年代に日本共産党が提唱した政策方針で、核戦争防止や核兵器廃絶を目指す内容が特徴です。このスローガンは、民主連合政府よりもさらに緊急性を持つものとして具体化され、特に核問題に対する社会の関心が高まる中で打ち出されました。

日本共産党は、非核の政府の理念に基づき、「非核5項目」を掲げ、これらの項目に従って連合政府の形成を呼びかけました。この5項目は、次のような内容から構成されています。
1. 全人類共通の緊急課題
核戦争を回避し、核兵器を廃絶することが全人類にとって非常に重要であるとの立場を示しています。核問題は国境を超えた人道的課題であり、この認識を基に行動する必要があるとされました。

2. 非核三原則の厳守
日本政府が掲げる非核三原則（核兵器を持たず、持ち込まず、使用しない）を厳守することが求められました。これは、日本が核兵器に対してどのように向き合うべきかという基本的な立場を示すものです。

3. 核戦場化の阻止
日本が核兵器や核戦争の舞台となることを防ぐために、あらゆる措置を取ることを強調しています。これは、地域の安全保障に対する配慮も含まれます。

4. 被爆者援護法の制定
被爆者に対する国家の責任を明確にし、国家補償を通じて被爆者の支援を強化するための法的措置が求められました。核戦争の影響を受けた人々への具体的なサポートが強調されました。

5. 国際連帯の強化
原水爆禁止世界大会での合意を基に、国際的な連携を強化する重要性が訴えられました。核問題は国際的な課題であり、国境を越えた協力が不可欠であるとされています。

このように「非核の政府」は、核問題に対処するための具体的な方針を示すものでした。また、全国各地では「非核の政府を求める会」が組織され、この考え方を広める活動が行われました。

しかしながら、日本社会党は「非核の政府」の提案に賛同しなかったため、日本共産党は社公合意後の孤立を脱出することができず、組織することが難航しました。これにより、提案された方針が政治の場でどのように実現されるかが問われる状況となりました。

日本における核問題は、多くの人々にとって重要な関心事であり、「非核の政府」という提案がどのように社会に影響を与えるかは、今後の政治的議論や活動においても注目されるテーマです。

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