非火災報

非火災報とは

非火災報（ひかさいほう）とは、火災ではないのに自動火災報知設備の感知器が作動し、警報を発する現象を指す業界用語です。この現象は、一般に機器の誤動作や誤報として捉えられがちですが、実は多くの場合、外的要因によって引き起こされることが多いのです。そのため、非火災報という呼称が使われています。

非火災報の発生要因

非火災報が発生する要因は大きく分けて環境要因と機能的要因があります。

環境要因

感知器が設置された当初の環境や使用条件が変わることにより、本来その場所に適した感知器が無効化してしまう場合があります。これにより、誤った信号が発生することがあります。

機能的要因

感知器自体の性質に起因する問題もあります。例えば、暖房による温度変化や料理中の煙は、感知器にとっては火災の可能性を示唆するものとして察知されるため、非火災報を引き起こすことがあります。

機器別の非火災報発生要因

非火災報には各種感知器や発信機別に特有の要因があります。

熱感知器による非火災報

• - 調理による熱
• - 空調からの温度変化
• - 強風による気圧変化
• - 感知器直下での火気の使用

煙感知器による非火災報

• - タバコの煙
• - 調理中の煙
• - ホコリや粉塵
• - 蒸気や結露
• - 虫の侵入
• - 殺虫剤の使用
• - 直射日光
• - 携帯電話等からの電磁波
• - 光電式分離型感知器の光軸ずれ
• - 高周波発生医療機器の影響

炎感知器による非火災報

• - 溶接の火花
• - 花火
• - 撮影機材からの光

発信機・受信機による非火災報

• - いたずらや誤操作
• - 機器の老朽化や水漏れ
• - 配線がネズミにかじられる
• - 消防設備点検に伴う鳴動

非火災報の対策

非火災報は多くの場合、感知器または発信機が誤った信号を発生させることから、まずは発報した機器を特定することが重要です。早急に火災の可能性を見落とさないよう、慎重に原因を調査することが求められます。

発生場所の特定

受信機を使い発生区域を確認し、現場に赴いて発報した感知器もしくは発信機を特定します。この際、音響停止ボタンを押して音を止めることは許可されていますが、「復旧」ボタンは誤って押さないよう注意が必要です。

感知器・発信機の特定

• - 感知器の確認灯が点灯するものを探す
• - 発信機は保護板の状態を確認し、破損や押し込まれているものを見つけます。

発生原因の調査と排除

防火管理者は、発報した感知器を特定後、周囲に発生要因がないか確認し、それに対応する必要があります。

応急処置と再発防止

熱や煙の影響を受けている場合は換気を行い、発信機が押されているなら復旧操作を行います。また、原因となる状況を排除したり、注意を呼びかけたりすることも大切です。

設備の見直し

非火災報が続く場合は、感知器の交換や設置位置を見直す必要がありますが、これを行うのは資格を持つ専門業者が必要です。

これらの対策を講じることで、非火災報を減少させることが可能です。

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