韓国・台湾クラブチャンピオンシップ

韓国・台湾クラブチャンピオンシップは、2010年に一度だけ開催されたプロ野球の国際交流試合です。この大会は、その年の韓国野球委員会（KBO）における最高峰のシリーズ戦である韓国シリーズの優勝チームと、中華職業棒球大聯盟（CPBL）の台湾シリーズを制したチームが対戦する機会として企画されました。

開催の背景

この大会が誕生した背景には、アジア地区のプロ野球主要リーグ優勝チームが一堂に会する国際大会「アジアシリーズ」の動向が深く関わっています。

2005年に創設されたアジアシリーズは、資金調達や運営上の課題から、2008年の開催を最後に一時的に休止状態となりました。これに代わる国際交流の機会として、2009年には日本シリーズ優勝チームと韓国シリーズ優勝チームによる「日韓クラブチャンピオンシップ」が実施されています。

そして2010年、過去にアジアシリーズを開催した実績のある台湾を舞台に、同大会の復活が再び検討されました。しかし、各参加リーグの日程調整などが難航し、この年のアジアシリーズ復活は見送られることになります。こうした情勢の中で、その年の国際交流戦として、前年の日韓クラブチャンピオンシップに加え、新たに韓国と台湾の優勝チームが対戦する本大会「韓国・台湾クラブチャンピオンシップ」が開催される運びとなりました。大会名の仮称としては「韓国-台湾チャンピオン決定戦」とも呼ばれ、NPB（日本野球機構）の公式サイトでは「CPBL-KBOクラブチャンピオンシップ」と表記されることもありました。

2010年大会の概要

唯一の開催となった2010年の韓国・台湾クラブチャンピオンシップは、台湾中部の台中市にある台中インターコンチネンタルスタジアムを舞台に行われました。大会は2日間にわたって開催され、出場チームは以下の通りです。

台湾代表：兄弟エレファンツ（この年の台湾シリーズ優勝チーム）
韓国代表：SKワイバーンズ（この年の韓国シリーズ優勝チーム）

試合は11月4日と11月5日の2試合制で行われ、両チームが1試合ずつ対戦する形式が取られました。この大会には賞金が設定されており、総額1000万台湾ドルが用意されました。賞金の分配規定は以下の通りです。

2試合とも勝利したチーム：800万台湾ドル
2試合とも敗北したチーム：200万台湾ドル
* 両チームが1勝1敗となった場合（引き分け）：両チームにそれぞれ500万台湾ドル

また、大会の審判員は、公平性を確保するため、日本野球機構（NPB）に所属する審判員によって務められました。

試合結果と大会の終焉

開催された2試合の結果は、両チームが1勝ずつを分け合う形となりました。これにより、規定に従って大会の総合成績は引き分けと記録されました。

この韓国・台湾クラブチャンピオンシップは、結局のところ1回限りでその歴史を終えることになります。その理由は、翌2011年にアジアシリーズが台湾での開催という形で正式に復活することが決定したためです。アジアシリーズの復活により、代替としての本大会は役割を終え、継続されませんでした。

関連する大会としては、アジアシリーズそのものや、2009年に開催された日韓クラブチャンピオンシップ、そして後に始まったアジアプロ野球チャンピオンシップなどがあります。また、大会の母体となった韓国野球委員会（KBO）と中華職業棒球大聯盟（CPBL）、そしてそれぞれのリーグ優勝決定戦である韓国シリーズと台湾シリーズも、この大会を理解する上で重要な要素となります。

本大会は短命に終わりましたが、アジアシリーズ休止期間における国際交流の一端を担った大会と言えるでしょう。

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