韓国映画(かんこくえいが)は、
韓国国籍を持つ人や法人によって制作された
映画を指します。これらの
映画は、多くの場合
韓国人のスタッフや俳優によって作られ、主に
韓国国内の
映画館で公開されます。
韓国映画の魅力的な点は、その多様なジャンルと独自の文化的背景によるものです。常に新しい才能が登場し、作品は国内外での評価を得ています。
歴史
韓国映画の歴史は、20世紀初頭から始まり、日本による植民地支配を経て、1945年の解放後も多くの波乱を経て育ってきました。
1940年代
解放直後、
韓国映画は当初の内容や技術面で遅れが見られましたが、「光復
映画」と呼ばれる新しいスタイルが登場しました。これには新たな国づくりへの期待を反映した作品が含まれ、民族の英雄をテーマにした
映画が制作されました。
1950年代
韓国映画史上最も厳しい時期である
朝鮮戦争が
映画製作に影を落としました。しかし、戦時中にも関わらず、17本の劇
映画が制作され、
映画界の人材育成が行われました。1954年以降、
韓国映画産業は復興し、時代劇や史劇が特に人気を博しました。「春香伝」の成功は、
映画制作の新たな基盤を築くきっかけとなりました。
1960年代
この時期は
韓国映画の黄金時代と呼ばれ、数々の傑作が生まれました。四月革命を背景にした
映画倫理委員会の設立や、新しい
映画作家が増えていく中で、
映画制作の自由が高まりました。しかし、続く軍事クーデターは
映画の自由度を狭め、質の面での悪化も招きました。
1970年代
朴正煕政権のもと、政治的な
検閲が強まり、
映画業界は厳しい環境に置かれました。テレビの普及も影響し、観客数は急激に減少しました。この時期、低質な
映画が量産され、観客が遠のく結果となりました。
1980年代
1980年代は政治的な変動が起こり、政府の政策が
映画の自由度を拡大しました。この時期にはセックス、スクリーン、スポーツ(3S政策)を利用した娯楽
映画が流行し、その一方で
映画作家たちが台頭しました。国際
映画祭での受賞も増え、
韓国映画の評価が高まりました。
1990年代
大企業が
映画業界に進出し、製作方式が変革を迎えました。「企画
映画」と呼ばれる新たなスタイルが生まれ、観客動員数も飛躍的に増加しました。1999年には『シュリ』が大ヒットし、
韓国映画の地位を確立させました。
2000年代には興行記録ラッシュが続き、多くの作品が国内外で称賛されました。しかし、
2020年からは新型コロナウイルスの影響もあり、劇場
映画の製作は難しくなりました。その一方で、オンライン配信の成長は新たな市場を形成しています。
映画祭と受賞歴
韓国映画界において、釜山国際
映画祭は特に影響力のあるイベントです。
韓国作品は国際
映画祭でも多数の受賞歴を持ち、特に
ポン・ジュノ監督の『
パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞での受賞により世界的な注目を浴びました。また、様々な
映画賞が設立され、優れた作品が評価されています。
韓国映画はその独自の文化を背景に、国内外で普及しており、今後の展開に期待が寄せられています。