韓国画

韓国画についての概説

韓国画（かんこくが）は、近代以降に開発された朝鮮の伝統的な技法を用いた絵画を指します。この概念は西洋画と区別するために、大韓民国で特に用いられています。一方、朝鮮民主主義人民共和国ではこの分野を「朝鮮画」と称しています。

韓国画の歴史的背景

朝鮮において、伝統的な絵画を他と区別するための明確な用語は元々存在していませんでした。しかし、1922年に開催された朝鮮総督府主催の第1回朝鮮美術展覧会において、西洋画との対比から「東洋画」という表現が初めて使われることになりました。この用語はその後しばらくの間使われ続けましたが、大韓民国の独立後も「東洋画」という名称は残りました。

用語の転換

1970年代になると、画家の金永基（キム・ヨンギ）などが、韓国には日本の「日本画」という用語があるにもかかわらず、自国の絵画を「東洋画」と呼ぶことは不適切であるという意見を述べ始めました。彼らは、日本が朝鮮民族の独自性を消すために「東洋画」という名称を押し付けたと主張し、より適切な「韓国画」という用語の導入が必要であると考えました。

1982年から、韓国文化芸術振興院が主催する大韓民国美術大展では、正式に「韓国画」という名称が使用され始め、1983年以降は美術教科書にもこの名称が採用されるようになりました。

戦後の韓国画の状況

第二次世界大戦後、韓国画の中でも特に彩色画は、日本画と誤解される傾向がありました。その影響で、彩色画は日本の影響を受けたものと見なされ、排除される運が重なりました。そのため、韓国画は文人画や水墨画が主流となり、独自のスタイルを持つことが強調される時代を迎えました。

このように、韓国画は単に絵を描く技術だけでなく、歴史的背景と文化的なアイデンティティを深く反映した芸術形式として、今日も多くの人々に親しまれています。韓国画は、国の歴史や文化を色濃く表現するアートの一つであり、将来的には更なる発展が期待されています。

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