韓国馬事会

韓国馬事会：韓国競馬の歴史と発展

韓国馬事会は、韓国における競馬の中枢を担う特殊法人です。農林水産食品部の傘下に位置し、韓国馬事会法に基づいて設立されました。サラブレッドによる本格的な競馬に加え、済州島固有種のポニーを用いた競馬も開催するなど、多様な競馬文化を擁しています。

歴史と変遷

韓国馬事会の歴史は、日本統治時代の「朝鮮馬事会」にまで遡ります。1945年の終戦後、朝鮮馬事会を改組する形で韓国馬事会が設立されました。当初はソウル近郊のトゥクソム競馬場などを中心に競馬を開催していましたが、1950年から1953年にかけて勃発した朝鮮戦争により、競馬開催は中断を余儀なくされました。戦争により競馬場施設は破壊され、多くの競走馬は失われました。この出来事が、韓国競馬の発展に大きな影響を与えたことは間違いありません。

戦争終結後の1954年、トゥクソム競馬場が再建され、競馬開催が再開されました。再開当初はポニーを用いた競馬が中心だったと伝えられています。その後、1962年には競馬法が制定され、韓国における競馬の法的基盤が確立しました。1984年には勝馬投票券の発売が電算化されるなど、近代化も進みました。

1989年には、京畿道果川市にソウル競馬場（のちにソウル競馬公園と改称）が開場しました。それに伴い、トゥクソム競馬場は廃止されました。さらに、1990年には済州島に済州競馬場（のちに済州競馬公園、さらにレッツランパーク済州と改称）が開場し、韓国における競馬の開催拠点は拡大しました。2005年には、釜山アジア大会の馬術競技会場跡地を活用した釜山慶南競馬公園が開場し、現在に至ります。

国際的な活動

韓国馬事会は、韓国を代表する競馬団体として、国際的な舞台でも活躍しています。韓国馬事会自身も馬主として、海外の主要な競走に競走馬を出走させています。「Korea Racing Authority」名義や「KRA Stud Farm」名義で、世界各国の競走馬と競い合っています。その所有馬の中には、アメリカ合衆国の主要競走で優勝するなど、世界的に活躍する馬も存在します。

代表的な所有馬

韓国馬事会が所有する競走馬の中でも、特に有名なのはニックスゴーです。ニックスゴーは、アメリカ合衆国で数々の重賞競走を制覇し、その実力を世界に知らしめました。2018年のブリーダーズフューチュリティ、2020年のブリーダーズカップ・ダートマイル、2021年のペガサスワールドカップ、ホイットニーステークス、そしてブリーダーズカップ・クラシックなど、数々の栄光を手にしました。

まとめ

韓国馬事会は、戦争による中断や困難を乗り越え、韓国の競馬文化を牽引する存在となっています。国内での競馬開催の運営だけでなく、国際的な舞台でも積極的に活動することで、韓国競馬の発展に大きく貢献しています。その歴史と実績は、今後の韓国競馬の発展にとって貴重な財産と言えるでしょう。今後も、韓国馬事会の活躍に期待が高まります。

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