音楽的個性に関る国際コンクール

音楽的個性に関る国際コンクール

「音楽的個性に関る国際コンクール」（正式名称: The International Competition of Musical Personalities, organised by the Alexander Tansman Association for the Promotion of Culture, Academy of Music in Lodz and the City of Lodz Office under the patronage of the Minister of Culture of the Republic of Poland and the Mayor of the City of Lodz）は、ポーランド中部に位置する都市ウッチで開催されていた国際的な音楽コンクールです。

その極めて長い正式名称とは別に、主催団体の一つであるアレクサンドル・タンスマン協会にちなんで、「タンスマン国際音楽コンクール」あるいは開催年の西暦を冠して「タンスマン20XX」といった通称で呼ばれることが一般的でした。ただし、これらの呼び名は非公式なものです。

コンクールの形式と特徴

このコンクールは、創設当初はピアノなどの器楽奏者を対象としたものでした。世界中から参加者を公募し、ポーランドのウッチ市で本選が行われていました。コンクールの大きな特徴として、課題曲の中に必ずポーランド出身の作曲家であるアレクサンドル・タンスマンの作品が含まれている点が挙げられます。これは、コンクールを主催する団体の一つがアレクサンドル・タンスマン協会であることと関連しています。

作曲コンクールへの変遷

回を重ねるにつれて、このコンクールはその形式に変化が見られました。特に第6回大会では、従来の器楽部門ではなく作曲コンクールとして開催されました。この作曲部門は、14人編成の室内楽からオーケストラ作品まで、応募者が比較的自由に編成を選択できるという、国際的な作曲コンクールとしては珍しい規定を持っていました。

その後、第8回大会も作曲コンクールとして開催されたことから、このコンクールは器楽部門と作曲部門を隔年あるいは隔回で交互に開催する方針へと移行していたと考えられています。このような形式の柔軟性は、「音楽的個性」を探求するというコンクールの理念を反映したものだったのかもしれません。

また、運営上の柔軟さを示すエピソードとして、第8回大会では当初の規約には明記されていなかったにも関わらず、特別に第5位入賞者にも賞金が授与されたケースがありました。これは、優れた才能に対して規約にとらわれず報いようとする主催者の姿勢の表れと言えるでしょう。

活動休止

しかしながら、このコンクールは財政的な困難に直面しました。予算の確保が難しくなったため、コンクール本体だけでなく、関連するフェスティバルも含めて、2016年をもってその活動を休止することとなりました。

「音楽的個性に関る国際コンクール」は、アレクサンドル・タンスマンという特定の作曲家に焦点を当てつつ、器楽から作曲へと形式を変化させながら、独自の道を歩んだコンクールでした。その柔軟な運営やタンスマン作品の普及への貢献は特筆されますが、残念ながら現在は活動を停止しています。

過去の優勝者や関連情報については、公式サイトなどで確認できる場合もあります。

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