頭の中のフィルム

BOYS AND MEN「頭の中のフィルム」：友情と変化の物語を刻んだシングル

2019年5月29日、男性グループBOYS AND MENの22作目となるシングル「頭の中のフィルム」がリリースされました。これは、ロックバンド10-FEETのTAKUMA（卓真名義）が作詞作曲を手掛けた、友情をテーマにしたロック調の楽曲です。

背景：ドラマ主題歌とグループの転換期

この曲は、関西テレビの連続ドラマ『ミナミの帝王ZERO』の主題歌として書き下ろされました。ドラマ主演を務めたメンバーの小林豊を中心に制作され、彼自身がセンターを務めることでも注目を集めました。

リリースの背景には、グループを取り巻く状況の変化がありました。2018年9月の前作『炎・天下奪取』から約8ヶ月後、ナゴヤドームでの単独公演を経てリリースされた本作は、メンバー田中俊介の体調不良による活動休止、そして後の脱退という大きな出来事の影で制作されました。そのため、本作は田中を除く9人のメンバーでリリースされ、10人体制での最後のシングルとなりました。メジャー作品においてメンバー全員が参加していないのは、これが初めてのケースでした。

リリースに先立ち、ラジオ番組で先行公開された「頭の中のフィルム」とカップリング曲「ONE WAY」は、リリースイベントや配信でも注目を集めました。ミュージックビデオは、品川ヒロシ監督による作品で、『ミナミの帝王ZERO』の世界観と、BOYS AND MENの友情を力強く表現した内容となっています。

音楽性：新たな挑戦と10-FEETとのコラボレーション

「頭の中のフィルム」は、BOYS AND MENにとって初めてのバンドサウンドへの挑戦となりました。10-FEETへの強い憧れから実現した今回のコラボレーションは、彼らが持つロックサウンドにBOYS AND MENの思いが乗せられた、心揺さぶる楽曲に仕上がっています。

TAKUMAはBOYS AND MENと直接会うことなく、ドラマの内容と彼らが歌うことを想定して作曲。曲中には名古屋弁のセリフも織り込まれ、彼らの地元愛も感じられます。編曲はTAKUMAと、過去のBOYS AND MEN楽曲も手掛けたMEG、Soma Gendaが共同で行いました。

メンバーは、普段とは異なる歌い方を試み、10-FEETの音楽性と、自身の表現を融合させました。歌詞は、過去の思い出、良い面と悪い面を包含し、今の自分へと繋がっていくというメッセージが込められています。

パフォーマンスとミュージックビデオ

ミュージックビデオでは、品川ヒロシ監督による独特の世界観が展開されました。不良グループとの抗争、そして友情をテーマにしたストーリーは、彼らの魅力を余すことなく伝えています。ダンスよりも歌唱を重視したパフォーマンスも、この曲の大きな特徴です。小林豊がセンターを務めることで、ドラマとの繋がりも明確に示されています。

カップリング曲とリリース形態

カップリング曲には、「ONE WAY」と「夢Chu☆毒」が収録されています。「ONE WAY」は『スポンジ・ボブ』のエンディングテーマとして使用され、ミディアムテンポのR&Bナンバーとなっています。「夢Chu☆毒」は、昭和歌謡風のナンバーで、メンバー自身も最も自分たちらしい曲だと評価しています。

CDシングルは通常盤、初回限定盤AとB、そしてUNIVERSAL MUSIC STORE限定盤の計6形態でリリースされました。それぞれ異なる特典が用意され、ファンを魅了しました。

チャート成績

オリコンチャートとビルボードジャパンチャートで共に3位を獲得するなど、高い人気を得ました。

まとめ

「頭の中のフィルム」は、ドラマ主題歌、10-FEETとのコラボレーション、メンバーの活動休止と脱退という節目の時期にリリースされた、BOYS AND MENにとって重要な作品となりました。彼らの新たな一面と、友情の大切さを伝える、記憶に残る1枚と言えるでしょう。

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