額賀章夫

額賀章夫（ぬかが あきお、1963年 - ）は、東京都杉並区出身の陶芸家であり、「N. ceramic studio」を主宰しています。彼の作品は、伝統的な技法と現代的な感性が融合した、独自の美しさを放っています。

1985年に東京造形大学造形学部デザイン学科Ⅱ類を卒業後、額賀は陶芸の世界へ足を踏み入れます。1988年には茨城県窯業指導所ろくろ科で研修生として学び、基礎技術を習得。翌年には、向山窯にて修業を重ね、陶芸家としての腕を磨きました。

1993年、額賀は笠間市にて独立を果たし、「額賀章夫陶磁器工房」を設立します。この地を拠点に、自身の作風を追求し続けました。1998年には、笠間焼「伝統工芸士」に認定され、その卓越した技術と知識が公に認められます。

2011年、工房名を「N.ceramic studio」へ変更。これは、彼の作風の変化や新たな挑戦への意欲を示すものでしょう。額賀の作品の中でも特に知られているのが、鎬（しのぎ）の技法による「プリーツワーク」と呼ばれる器です。この技法は、器の表面に細かく規則的な模様を施すもので、光の加減によって様々な表情を見せます。また、錆粉引きも彼の定番の一部であり、土の温かみと錆の風合いが調和した、独特の雰囲気を醸し出しています。

額賀の作品は、どっしりとした安定感のある丸みが美しく、造りの技術と焼成の味わいが個性的です。その作品は、日々の生活に寄り添い、使うほどに愛着が湧くものばかりです。

額賀の才能は高く評価されており、2003年には第17回日本陶芸展に入選、2007年には第25回朝日現代クラフト展に入選するなど、数々の賞を受賞しています。また、2010年には、映画『ゴースト もういちど抱きしめたい』（監督：大谷太郎）で陶芸指導を担当するなど、その活動は多岐にわたります。

現在、額賀は笠間焼協同組合副理事長を務め、笠間焼の発展にも貢献しています。彼の作品は、伝統と革新が融合した、現代の食卓に合う新しい陶器として、多くの人々を魅了し続けています。

外部リンク

公式サイト
こうめぐるVol.5 額賀章夫さん（陶芸家） - Discover Japan
額賀章夫 - 笠間焼（笠間市公式ホームページ）
vol.8 陶芸家 額賀章夫さん - やいづ善八だより

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