風のクロノア

風のクロノア シリーズ

『風のクロノア』は、バンダイナムコエンターテインメントから展開されている、日本のアクションゲームシリーズです。1997年12月11日にPlayStation向けに発売された第一作『風のクロノア door to phantomile』は、奥行きのあるコースを横スクロールで進む「2.5Dアクション」の先駆的な作品として、高い評価を得ました。以来、シリーズは様々なゲーム機や携帯端末へと対応プラットフォームを広げ、アクションのみならず、パズル、パーティー、アクションRPGといった多岐にわたるジャンルで展開されています。また、2022年には初期二作品のリマスター版『風のクロノア 1&2アンコール』が主要な現行機種向けに発売され、再び注目を集めています。

主なシリーズ作品

以下に主要なシリーズ作品の一部を挙げます。

• - 風のクロノア door to phantomile (PS, 1997) - シリーズの原点となる3Dアクション。PS2、iアプリ、Wiiでも展開。
• - 風のクロノア ムーンライトミュージアム (WS, 1999) - 携帯機向けアクションパズル。
• - 風のクロノア2 〜世界が望んだ忘れもの〜 (PS2, 2001) - 据え置き機向けドラマティックアクション第2弾。
• - 風のクロノア 〜夢見る帝国〜 (GBA, 2001) - 携帯機向けアクションパズル。
• - クロノアビーチバレー 最強チーム決定戦! (PS, 2002) - パーティーゲーム。
• - 風のクロノアG2 ドリームチャンプ・トーナメント (GBA, 2002) - 携帯機向けアクション。
• - クロノアヒーローズ 伝説のスターメダル (GBA, 2002) - シリーズ初の固定視点アクションRPG。
• - 風のクロノア 1&2アンコール (Switch, PS5, PS4, Xbox Series X/S|Xbox Series X_S, Xbox One, PC, 2022) - 初代と『2』のリマスター。

世界観と設定

シリーズ作品は、基本的にそれぞれ独立した物語を描いており、作品間の直接的な強い繋がりは明示されていません。物語の舞台となる世界や、主人公クロノアの立ち位置も、作品によって微妙に異なります。

初期作品群（1997年〜2001年）では、「異の夢」や「夢見る黒き旅人」として異世界から召喚され、危機に瀕した世界を救うクロノアの姿が描かれました。これらの作品では、キャラクターたちが架空の言語である「ファントマイル語」を話すという特徴的な演出が用いられています。これは独自の単語や文法を持つ言語で、ゲーム画面上にはその日本語訳が表示されます。

2002年以降の作品では、漫画作品『疾風天国 風のクロノア』の影響もあり、世界観が一新されます。クロノアはヒーローを目指す少年的なキャラクターとなり、過去作品に登場した様々な世界のキャラクターたちが共存する、パラレルワールド的な設定が採用されました。

登場キャラクター

本作には、主人公のクロノアをはじめ、多くの個性豊かなキャラクターが登場します。

主人公

クロノア: 黒い体毛と長い耳を持つ獣人の少年。風を操る能力を持ち、パックマンの描かれた帽子がトレードマーク。シリーズを通して主人公を務めますが、作品によって性格やデザイン、設定が若干異なります。初期作品では異世界から召喚される存在、後期作品ではヒーローを目指す少年として描かれています。

仲間たち

ヒューポー: 初代作品に登場する、水色の丸い精霊。クロノアと共に冒険し、リングに宿る存在として風だまを使う力を与えます。正体は月の国の王子。
ロロ: 『2』以降に登場する、人型の少女。見習い巫女で少しドジな面もありますが、一生懸命な努力家。クロノアのパートナーとして彼をサポートします。
ポプカ: 『2』以降に登場する、犬のような姿のキャラクター。ロロのお目付け役を自称し、空を飛ぶことができます。憎まれ口を叩きながらも、基本的には心優しい存在です。
ガンツ: 『ビーチバレー』以降に登場する、クールな賞金稼ぎ。「金色の死神」の異名を持ち、拳銃を得意とします。女性が苦手で船酔いしやすいという一面も。
パンゴ: 『ヒーローズ』に登場する、センザンコウのような姿の物知りな花火職人。眠り病にかかった息子を救う旅の途中、クロノアたちと出会います。

この他にも、クロノアの育ての親であるじっちゃん、歌姫のレフィス、大寺院を司る大巫女など、多くの仲間や協力者が登場します。

敵対者

ジョーカー: 混乱を巻き起こす狡猾なキャラクター。強力な幻獣を使役したり、自身が変身したりしてクロノアの行く手を阻みます。
ガディウス: 初代作品の黒幕。三千年前に封印された闇の魔王で、世界への憎悪から破滅を企みます。
レオリナ: 『2』に登場する女空賊。かつては巫女見習いでしたが、力を求め独自の道を歩むライバル的存在。使い魔のタットと共にクロノアをつけ狙います。
ナハトゥム: 初代作品と『ヒーローズ』の最終ボス。悪夢の化身であり、世界を喰らい尽くす存在。作品によって姿や設定が大きく異なりますが、圧倒的な強さでクロノアに立ちはだかります。
* ガーレン: 『G2』や『ヒーローズ』に登場する謎の人物、あるいはマッドサイエンティスト。自己の野望のために様々な策略を巡らせます。

シリーズには、最もポピュラーな敵キャラクターであるムゥをはじめ、多彩な敵が登場し、物語を盛り上げます。

音楽

シリーズの楽曲は、井村絵里子氏を中心に、大久保博氏、中西哲一氏、小沢純子氏など、多くのコンポーザーが手掛けており、世界観を彩る印象的な楽曲が多いことでも知られています。

メディア展開と他作品への出演

ゲームシリーズだけでなく、漫画作品『疾風天国 風のクロノア』や、ウェブコミック『KLONOA: Dream Traveller of Noctis Sol』が刊行されました。また、過去にはアニメ化の企画も発表されていましたが、後に中止されています。

主人公のクロノアは、同じバンダイナムコエンターテインメントの様々なゲーム作品にゲストキャラクターとして登場しており、『太鼓の達人』シリーズや『テイルズ オブ』シリーズ、『NAMCO x CAPCOM』などでその姿を見ることができます。彼の名前や関連アイテムが他作品に登場するケースも少なくありません。

『風のクロノア』シリーズは、独特のゲームシステム、心に訴えかける物語、魅力的なキャラクター、そして唯一無二の世界観で、多くのファンに愛され続けています。2.5Dアクションのジャンルを確立した功績と共に、今もなおその魅力は色褪せていません。

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