風の歌が聴きたい

映画『風の歌が聴きたい』

『風の歌が聴きたい』は1998年に公開された日本映画で、大林宣彦が監督を務めました。この作品では、聴覚障害を持つ夫婦がトライアスロンに挑む姿が描かれています。主演は天宮良と中江有里が務め、彼らの物語を通じて、家族や友人との絆、成長と挑戦を描き出す感動的な作品となっています。

概要

本作は実在の聴覚障害者夫婦をモデルに、彼らがトライアスロン大会に参加する様子を描いています。特に挙げられる大会は「全日本トライアスロン宮古島大会」であり、その競技内容にはスイム、バイク、ランの3種が含まれ、合計距離は約200kmです。今作は文部省選定や厚生省推薦も受けており、第10回東京国際映画祭に特別招待作品として出品されました。

あらすじ

物語は1997年4月20日、宮古島でのトライアスロン大会から始まります。主人公の高森昌宏は、妻の奈美子にFAXを送り、互いを励まし合うことで出発します。昌宏と奈美子の出会いは中等部までさかのぼり、文通を通じて交流を深めることから始まります。栃木県の昌宏と函館の奈美子は、手紙を介して友好を育み、お互いの趣味や日常について語り合います。

昌宏が水泳を学ぶきっかけとなった聴覚障害者の友人や、奈美子が専門学校で困難を乗り越える姿が丁寧に描写されます。特に、二人が再会し誕生日プレゼントを交換するシーンでは、彼らの関係が一層深まっていく様子が伝わります。やがて、昌宏は宮古島でのトライアスロン大会に挑戦し、奈美子の応援を受けながら見事に完走します。二人はその後も共にトライアスロンに挑戦し、共に成長していきます。

キャスト

• - 高森昌宏（演：天宮良）：聴覚障害を持つ青年で、トライアスロンに情熱を注ぐキャラクター。
• - 高森奈美子（演：中江有里）：昌宏の妻で、聴覚障害を持ちながらも彼に支えられ成長していく女性。

この映画では、聴覚障害を抱えたカップルの成長や絆だけでなく、周囲の家族や友人たちとの支え合いの重要性も描写されています。高森家と早瀬家の両家族はそれぞれに愛情を持って子供たちを支え、励まし合いながらお互いの目指す道を尊重します。

音楽

映画では、主題歌『風の歌が聴きたい』が特徴的で、感動的なシーンを彩ります。この楽曲は物語全体のテーマに深く結びついており、聴覚障害者としての彼らの思いや葛藤を代弁するかのように盛り上げます。作品中には、昌宏と奈美子の想い出や、各々の人生における重要な出来事が音楽によって強調されています。

このように『風の歌が聴きたい』は、聴覚障害者の視点から描かれた青春映画であり、彼らの努力や支え合い、愛の力を感じることができる作品です。

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