飛べ!イサミ

『飛べ!イサミ』（英: SOAR HIGH! ISAMI）は、1995年から1996年までNHK教育テレビで放送されたオリジナルアニメで、漫画やドラマCDも展開されました。物語は新撰組の子孫たちが、悪の組織「黒天狗党」と対峙する姿を描いています。

概要

アニメは、花丘イサミ、月影トシ、雪見ソウシの3人の小学生が主人公です。彼らは先祖が残した特別なアイテムを手にし、悪党と戦います。特に前半では「ヒーローに憧れる普通の小学生」として描かれたことで、小学生たちからの共感を得ました。また、本作はNHKオリジナルアニメの先駆けでもあり、日本制作アニメの新たなスタイルを築きました。

本作は、原作となる小説や漫画がないオリジナル企画で、当初は「しんせん組参上」というタイトルが考えられていました。また、NHK地上波の新作アニメが教育テレビで放送されるようになったのも、本作がきっかけであり、結果として新しい時代のアニメ作品が生まれました。

あらすじ

物語は、イサミたちが新撰組の秘密基地を発見し、不思議な剣を手に入れるところから始まります。この剣を用いて、黒天狗党による世界征服の企みを阻止し、イサミの父親である花丘魁博士を救うために戦います。初期は探偵もののような要素がありましたが、物語が進むにつれてヒーローの特性を強め、色彩豊かなバトルを繰り広げていきます。

登場人物

- 花丘イサミ: 主人公。小学5年生の女の子で、ボーイッシュな性格を持つ。特別な剣を使い、悪と戦います。
- 月影トシ: イサミのクラスメイトで、熱血漢。勝ち気でありながらも仲間思い。
- 雪見ソウシ: 冷静でスマートな性格で、女の子に目がない一面も。
- 月影ケイ: トシの弟。好奇心旺盛な性格で、アクティブに物事を探求する。
- 花丘魁: イサミの父。ルミノタイトを研究している物理学者で、物語に重要な役割を果たす。

敵組織

「黒天狗党」は、物語の敵組織であり、表向きは大企業「芹沢ジャパン」として活動しています。彼らのリーダーである黒天狗が、世界征服を狙い、しんせん組と対抗します。また、黒天狗は幼少の頃からの友人である観柳斉に対する複雑な感情も抱いており、ストーリーに深みを与えています。

スタッフ

本作は、佐藤竜雄が監督を務め、原作は存在しないため、NHKとそのスタッフによる共同で生み出されました。音楽やキャラクターデザインなど、多彩なクリエイターが参加し、アニメは大きな成功を収めました。

影響とその後

『飛べ!イサミ』は、NHKアニメに新たな地平を開いた作品として評価されており、他のアニメ作品に影響を与えたことでも知られています。本作は視聴者にヒーローになることの大切さや、仲間と一緒に戦うことの意義を伝える作品として愛され続けています。

飛べ!イサミ